「ただそれだけが良かった」 れいこ

8月3日

 お父さんお母さんに相談に行けて、とても嬉しかったです。
 勉強を始めてから、2か月ほどが経過し、この期間は時間と力の限り精一杯やりました。
 今日で、ちょうど実技の事例演習が全て終わり、専門もほぼ1巡目がゴール目前まで来ました。実技の事例演習では、解きなおしですが、記述も相当数正解できるようになりました。
 ノートも資料も、立派に積みあがるほど、たくさんできました。
 この調子でやり続けたら、受からないはずはないだろうと思いました。
 でも、そう思った途端に、ものすごく寂しくなって、ふいに涙があふれてきました。
 膨大な知識を詰め込んだ分だけ、対照的に冷たく乾いた心が露わになって、「こんなに自信がなくて、寂しくて、生きていけるはずないだろう!」と、どこからともなく聞こえてくるようでした。

 初めは、ただただ本当の地球の成り立ちや仕組みを知りたいと思ったこと、空を見ていると何より癒される気がすること、そして、もしかすると農業の役に立つのではないかという想像が膨らんで、夢の中では止められなくなったことが、勉強を始めるきっかけだったと思います。
 でも、いつからか、やるからにはとても高い目標がないと、満足できない性格が出てきて、1月の合格を意識し始めました。
 だけど、その先のことは、ほとんど何にも考えていなくて、あまりにも近くに現実となるかもしれないと思ったら、正直、めちゃくちゃ怖かったです。
 仮に受かったとしても、私は、まだまだ1人で立てる自信なんて全然ないし、立てるとも思っていなかったです。

 今日、お父さんお母さんに相談させていただいて、やっぱり私はまだまだ遊び足りなかったんだと分かって、もっと遊んでいいよと言ってもらって、とても安心しました。
 ずっとなのはなに居てもいいし、しばらくは子どもでいてもいいし、お父さんお母さんのお話を1番前で聞いて、みんなと一緒に畑にも出て、いっぱい本も読んで、そんな風に過ごしていていいんだなと思ったら、ものすごく救われた気持ちになりました。
 それを思うだけで、心が晴れてきて、力が沸いてきて、お腹もすいてきました。
「れいこに会えて、本当に嬉しいよ」
 そんな言葉を掛けてもらって、私は生まれてきて、良かったなと思いました。
 お父さんとお母さんにぎゅっとサンドイッチしてもらったとき、この間に不安に思ったことも全部吹き飛んでしまうくらい、全部許してもらったように感じて、ホッとして、嬉しくて、心がじんわりとあたたかくなっていきました。
 私はここに居ていいんだな、ただそれだけが良かったんだな、と思いました。

 明日からまた、午後からは、みんなと一緒に畑に出て、野菜と心を通わせて、いっぱい外の空気を吸って、天気も肌で感じて、過ごせるのだと思うと嬉しいです。
 そして、試験は別に1月にこだわらなくても、心も体も準備が整ったら、受かればいいなと思いました。
 今は、少しずつ希望が湧いてきました。
 お父さんお母さん、ありがとうございました。
 お父さんお母さん、みんなのことが大好きです。