【山小屋便り7月号】「みんなの思いが詰まったキャベツ ―― キャベツ『滝川の翁』の収穫 ――」 えりさ

 レタスの収穫時期が終わると、バトンタッチでキャベツの収穫が開始されました。滝川横畑の一面にズラリと並ぶ『滝川の翁』は今までのキャベツの概念を吹っ飛ばせるぐらい、大きくて、ギッシリ詰まっています。普通のスーパーに置いてあるものと比べものにならない迫力です。

 収穫が始まった日、私はお父さんお母さんの食事の席の前に置いてあった『滝川の翁』を初めて見たとき、その存在感に圧倒されました。艶やかで、虫食い1つない、薄緑の大玉キャベツは野菜ではなく、芸術作品にしか見えませんでした。こんなにパーフェクトなキャベツが滝川横畑に何千株も植わっていると考えると、収穫と嫁入りが楽しみで仕方なくなりました。

 レタスと同様、キャベツは朝食前に収穫と嫁入りをセットで行います。早朝から野菜を収穫すると本当にすがすがしい気持ちで1日を迎えることができます。

 午前7時に玄関下で集合し、クワを持ってみんな徒歩で滝川横畑に向かいます。朝の気温は涼しく、新鮮な空気の中、身体がとても動かしやすいです。

 畑に到着したら、優しい日光を浴びるキャベツ達を見渡し、1番取りどころのキャベツが集まっている場所を把握します。どの玉も本当に立派で、愛らしく、収穫する物を決めるとなるとなかなか難しくて選べません。

 害虫から守るキャベツのネットを外し、しっかり結球している玉から選んで収穫し始めます。まるでキャベツのツバサのような大きく広がっている外葉はもったいないけれど、根元から外し、主茎から包丁で株を切り取ります。あまりにも大きくて迫力のある『滝川の翁』は、たったの6、7玉で1コンテナがいっぱいになります。

収穫、運び、計量までのシステムを作り、新鮮なキャベツを食卓へ届けます

 次から次へとキャベツをコンテナに積んで、運んでいるみんなの様子は本当に活気があって楽しそうです。1コンテナが余裕で12キロオーバーしてしまうため、収量を計算するのは大変です。だいたいどの玉も2キロ以上あって、1日の収量は当たり前のように100キロは超えています。

 続いては嫁入り準備。須原さんが制作してくださったテープマシンを使って、1つひとつのキャベツに嫁入り用のテープを貼巻き付けます。今まで2人体制でしか巻き付けなかった嫁入り用テープは、この画期的デバイスのおかげで、1人でも簡単に貼巻けます。仕上げに値札と『私たちが作りました』をつけて、嫁入り準備は完了です。

 店に出すキャベツはサイズごとに分かれていますが、1番安い、「小サイズ」でも、名前と違ってとても重く、立派なものばかりです。きっと、「小サイズ」なのはな産キャベツを見かけたお客さんたちは、お得だと思って、つい手に取ってしまうのではないかと思います。

 私は何回か、収穫と嫁入りの作業に入らせもらっていますが、毎回、同じように心がときめきます。自分たちが育てた野菜が畑に植わっている状態から、お客様に手元に届く状態まで見送ると本当に愛らしく見えて、誇らしい気持ちでいっぱいになります。栄養満点の『滝川の翁』は、まだ見ぬ誰かの手元に届き、喜ばせてくれるに違いないです。