【山小屋便り6月号】「『ビー・ウィズ・ユー  お母さんに会えたこと 』 ―― 母の日に届ける、思い ――」 るりこ

〜お母さん、いつもありがとうございます!〜

 『ビー・ウィズ・ユー』

 あなたに会えて。お母さんに会えて。

 日々、たくさんのことを教えてくれる、お母さん。大好きなお母さんに日頃の感謝の思いを届ける、大切な1日。

 母の日に、『ビー・ウィズ・ユー —お母さんに会えて—』をテーマに、母の日の会を開きました。

 4台のドラムと2本のエレキギター。そのバックに立つ、なのはなのバンドメンバー。

「母の日の会が始まります」を知らせる、なおちゃんの放送が流れ、体育館へ入ると、それらの楽器セットがステージ前に整然と並べられてありました。

 その両脇には、全国の卒業生から届いた、お母さんに贈る花束の数々。カーネーションやあじさいが並び、活気あるステージをさらに明るく鮮やかに包み込んでくれているようでした。

 『ビー・ウィズ・ユー』。

 母の日の会第1部は、ドラム部、エレキギター教室のメンバーによる、グレイの『ビー・ウィズ・ユー』のコラボレーション演奏です。

 『ビー・ウィズ・ユー』は、お父さんとお母さんの大切な曲です。その1曲を、これまでドラム部とエレキギター教室のメンバーが、「お母さんに贈りたい」という一心で、約4か月間、練習を重ねてきました。夜、音楽室の前を通ると、毎日のように誰かがドラムを叩く音が聞こえていました。みんなの、『お母さんが好き』という気持ちがその一打に込められているように胸に響いて聞こえました。

■なのはなバンド

「なのはなのビッグバンド、〝クレイ〟のメンバーを紹介するぜ!」

 衣装が決まったまえちゃんの声と共に、ドラム部のメンバー1人ひとりが登場します。みんなお揃いのピンクのネクタイを締め、決まっていました。

 4台のドラムセットに4人のドラマーが座り、その真ん中にギタリストのやよいちゃんとりんねちゃんが立ち、バンドメンバーの準備もオーケー!

 ……あれ? ボーカルは……?

 そう、もちろんこの曲を歌い、お母さんに届けるのは、お父さん。「お父さ〜ん!!」の呼びかけに、お父さんが恥ずかしそうに笑いながら、レッドカーペットからステージへと上がりました。

 『あなたに会えたこと』

 お父さんとお母さんの出会い。お父さんとみんなの出会い。お母さんとみんなの出会い。お母さんとわたしの出会い。お母さんに出会えて、わたしの人生は変わりました。わたしの人生が始まりました。

 お父さんが力強く歌う歌声には、お父さんのお母さんに対する思いが込められていて、強く心に響いてきました。わたしは、そんな力強いお父さんの歌声にのせて、わたしの思いもお母さんに届け、と願いました。

■世界一格好良い、お母さん

 1曲が歌い終わると、間髪入れず、「もう1回聴きたい!」と声が上がりました。まえちゃんが、「もう1回演奏するぜ!」と言ってくれて、嬉しい嬉しい二度目の演奏がは始まります。

 ドラマーはバトンタッチで、計10名のドラマーと、4名のエレキギタリストが、『ビー・ウィズ・ユー』と演奏してくれました。ドラム、ギターを演奏する1人ひとりの横顔と、拍を取るためにリズムを取る動きが格好良く、また1つ、みんなの新しい一面が知れたようで、聴いているわたしも嬉しくなりました。

 ライブのトリを飾るのは、お母さん。お母さんが、『育つ雑草』を歌ってくれました。お母さんが歌う、『育つ雑草』を聴くたび、このままじゃいけないと気持ちが奮い立ちます。大好きなお母さんの仲間なら、わたしもお母さんに続く1人として、もっと強くなりたい、優しくなりたいと思います。

 ステージに立つお母さんは強さがあって、とても格好良かったです。お母さんの力強い歌声が体育館いっぱいに広がって、お母さんは気持ちよさそうに歌ってくれました。歌を歌って聴かせてくれるときのお母さんは世界一格好良くて、自慢のお母さんだと感じました。

 ライブの余韻に包まれて、今宵はディナー&ライブショーだったことをすっかり忘れていました。台所のみんなが用意してくれた、山小屋ウォークラリーで採ってきた山菜がふんだんに入った、ちらし寿司をみんなでいただきます! 体育館でみんなと顔を合わせながらいただく夕食はまた一段と美味しさが増したような気がしました。

■第2部、朗読会へ

 賑やかな第1部を終え、今度はゆっくりしっとりとした第2部へ。会場は音楽室へと移り変わります。

 お母さんとお父さんが部屋へ入ってくるのと同時に、みんなで『ハナミズキ』の歌を歌って、お母さんに贈りました。

「君と好きな人が百年続きますように」

 歌詞に込めて、お母さんはなのはなファミリーにハナミズキを植えてくれました。毎年、この季節になると、玄関前の花壇にハナミズキが花を咲かせます。わたしはハナミズキの花を見ると、真っ先にお母さんの笑顔が浮かんできます。そして、今年もこの季節がやって来たんだと思います。

 隣の人と手をつなぎ、身体を揺らしながら、みんなで『ハナミズキ』を歌いました。お母さんは目に涙を浮かべて頷きながら、1人ひとりの顔を見てくれました。そのお母さんの笑顔がとても優しくて温かくて、安心したら、胸が熱くなって涙が出てきました。わたしは今、お父さん、お母さん、なのはなのみんなに囲まれて、こうして生きていられるんだなと、とてもとても幸せに思いました。

お仕事組の子からお母さんへ、花束を贈りました

 『なのはな書院、新刊発売記念』

 続く母の日の会第2部は、お母さんへ贈る、朗読会です。実行委員のなおちゃん、まよちゃん、まことちゃんが企画してくれて、お母さんとの出会いをテーマに、1人1作品の短編を書き上げました。なのはな70人、1人ひとりのお母さんとの出会いは、それぞれ大切な大切なものです。それを、ポエム風、物語風、ドキュメンタリー風、お手紙風の好きな作風にして言葉にし、お母さんに届けました。

 『なのはな書院から発売された、新刊を記念して、執筆者による朗読会を開く』

 母の日の会をより濃いものにするために考えてくれた、なおちゃんたちの気持ちが優しくて、心が温かくなりました。

■大きな安心感

 みんなの代表をとして、7人の子がみんなの前で作品を朗読してくれました。

 トップバッターはれいこちゃん。なのはなの来たばかりのとき、壁にぶつかったとき、お母さんが掛けてくれた言葉、お母さんの姿を、『花が咲いた』という表現を使って、詩にのせて読み上げてくれました。れいこちゃんを真っ直ぐ見つめる、お母さん。その横で優しく微笑む、お父さん。

 れいこちゃんが時折お母さんを見ながら、丁寧に届ける言葉と、「うんうん」と頷くお母さんの姿に、わたしまで胸が込み上げてきて、涙がこぼれました。

 続くように、りなちゃん、ほしちゃん、けいたろうさん、まえちゃん、あんなちゃんがお母さんとの出会いを、それぞれの言葉でお母さんに届けてくれました。みんなの作品がとても素敵だったし、その1つひとつにお母さんに届けたい思い出や気持ちがたくさん詰まっていて、とても優しい時間が流れました。

 最後はお父さん。お父さんがお母さんとの出会いを朗読してくれました。

 お父さんとお母さんが並ぶ姿をみて、大きな安心感に包まれました。この時間がずっと止まればいいと思いました。

 みんなを代表して朗読をしてくれた7人の作品を聞いて、お母さんは目に涙を溜めて、

「ありがとう……ありがとう。みんな、1つひとつ、全部覚えてくれていたんだね」

 と言いました。みんなの気持ちが、お母さんに届いたんだと感じました。

 それからお母さんは、なのはなが出来たばかりのときのことを話してくださいました。お母さんがずっとずっと、なのはなのお母さんとして、卒業生も含めて、何百人ものなのはなのお母さんとして、背中を見せ続けてくださったのだと思いました。

■お母さんの背中を追って

 そして、お父さんからお母さんに贈る曲。お父さんとバンドメンバーのみんなが、『アイ・ワズ・ボーン・トゥ・ ラヴ・ユー』を演奏してくれました。

 以前、なのはなで演奏したことのある曲でしたが、わたしは実際に目の前に演奏を聴くことは初めてでした。歌詞はもちろん、タイトルの意味もよく考えたことがなかったなかで、お父さんが歌う姿と、何度も繰り返される、『ボーン・トゥ・ ラヴ・ユー』という言葉を頭のなかで訳してみて、一度にこの曲が好きになりました。母の日にお母さんに贈る、ぴったりな1曲だと感じました。わたし、そしてみんなも、お母さんに会うべくして生まれたんだと思いました。

 最後に、スペシャルデザートが用意されていました。この日のためにお仕事組のみんなが作成してくれた、母の日定番の酒粕アイス! 今回はなのはな産の餡子もトッピングされてありました。みんなで並んで座りながら、冷たくて甘い、甘い酒粕アイスをいただきました。お母さんが嬉しそうに、「やっぱり美味しいねぇ」と微笑みました。ライブで熱くなった身体と、朗読会で熱くなった心に、手作りアイスの冷たさと優しい甘さがいっぱいに広がりました。

特製『酒粕アイス』

 『ビー・ウィズ・ユー —お母さんに会えて—』。

 母の日に、みんなでお母さんに向けて、感謝の気持ち、大好きな気持ちを伝えることができました。

 いつも、わたしたちの先頭に立って、生き方を示してくださるお母さん。お母さんのように、どんなときも前向きに笑顔を絶やさない、誰かを守れる強さと優しさをもった、大人の女性にわたしも成長していきたいです。

 お母さん、いつもありがとうございます。

全国の卒業生から、たくさんの花が届きました