第245回「友達について その②」

(「友達について その①」からの続きです。)

 

お父さん:
 ハウスMTでも出たんですけど、
「友達を作るにはどうしたらいいか?」
 友達は作らなくて良い。最初から。作ろうなんて思わない。友達ごっこは要らない。
 必要な関係を必要な人と取ってたら、必要な関係を満たしているうちに、その人が友達なのか友達じゃないのかわからなくても、年齢が離れていたら友達とは言えないかもしれないけど、長く深く良い関係が自分が歩いたあとにできている。例えば僕と(山小屋オーナーの)盛男さん。そういう関係が結果的にできている。必要な関係だけでいいんじゃないでしょうか。

 というのと似てる質問で、
「人間関係を取るのが上手くできない。どういう風に取るのがいいでしょうか?」
 これも全く同じ考え方。人間関係のための人間関係はない。誰かに伝えるために必要な関係で、伝えるべきものを持っていない人は、人間関係を取る必要がそもそもないわけですよ。
 自分が誰かに何かを発信したい、伝える人になる、それがあって初めて関係をとる必要が生まれる。
 上手な人間関係がどうかというよりも、上手に伝わったのか、上手に伝えられる人なのかが問題。だから何を、どういう場面で伝えられるのかが問題なのであって、漠然とした、抽象的な友達関係とか、人間関係というのは、そもそも存在しない。ただの、人間関係のための人間関係は要らないと思うんです。
 うちで言ったら、ぱっと思うのは畑のリーダーが、みんなに動いてもらうために、統率するために、伝えなくちゃいけないことがたくさん出てくるはずです。
 それを、どう、いかに伝えるか、修正するか、ということが日々出てくるから、言ってみれば畑のリーダーは人間関係を上手にする練習を日々してるようなもの。ところが受け取るだけの人は、良い関係も何もないですよね。
 それで言うと僕は、人間関係良くしたい、友達を作りたいなんて思ったこともない、ということなんです。
 ただ、必要な関係、必要な伝えるべきことが日々出てくるからやってるだけ。ときどき、小野瀬さんは社交的ですね、と言ってくれる人がいるけど、僕自身は全然、社交的だと思ってない。ただやるべきことがある、伝えるべきことがあるというだけ。伝えるべきことがない人は、ぽかんとしてるかもしれません。何も伝えることないからね。
 だから良い関係をとりたいと思うなら、大事なことは、自分が伝えたいと思うことを、どれだけ持っているかどうか、ということを考えればいいでしょうね。
 どれだけリーダーシップをとって、どれだけ責任を引き受けて遂行するか、その意欲をどれだけ持つか。意欲のない人が、私は伝えるべきものがないけど、人間関係、友達だけは作りたいなんていうのは、僕はあり得ないと思います。そんな暇つぶしに付き合わされる人はたまらないよ。

 

お母さん:
 お母さん昨日、久々に河上さんとしゃべったのね、若い頃のこと聞かれたので話してた。
 みんなにもおどけて言うけど、お母さんモテたのね。ほんとに。
 お母さんはただ善意のつもりで誰にでも、良いことを経験したら伝えたいって思うから、誰にでも話した。ところが、異性の人がそれを聞くと、こんなにしゃべってくれるんだから、ゆかりちゃんは僕のこと好きなのかなと勘違いされて、だからモテたんだなと思った。

 

お父さん:
 僕もそうなんだよね。愛情は理解し理解されること、といつも言ってるけど、たまたま知り合った女の子に僕が知ってることを一生懸命しゃべっていると、すぐにもう恋人みたいに勘違いされてしまって、こんなに共感した人初めて、と言われてしまうことがよくあった。

 

お母さん:
 何でみんな好いてくれるんだろうなと思ったけど、しゃべる人が少ないのかもしれないね。今もそうだけど、みんながすっごく近寄れないような不良みたいな人ともすぐに仲良くなって、なんでゆかりちゃんあの人たちと友達なの、って言われることがよくあった。

 

お父さん:
 今日もハウスMTでしゃべってて思い出しちゃったんだけど、予備校に入ったとき6年ぶりの男女共学で女性と机を並べることができて、そこで断トツで可愛い女の子となぜか僕だけが仲良くなれた。僕は伝えたいことがたくさんあったし、伝えたい気持ちもたくさんあった。もっともっと伝えたい、知りたい、その気持ちが関係を深くさせていくんだと思いますね。そういう意味じゃ、僕もお母さんも同じように人に伝えたいことと、人に求めるものを持っているということだろうね。
 伝えたいことがある人が結果的に友達になって、伝えたいことが次から次に出てくる関係ならいい関係が続くだろうし、伝えたいことがない人とは友達になる必要がない。
 僕はなのはなファミリーのみんなに伝えたいこと、伝えなければならないことがたくさんあるし、みんなからも教えてもらいたいことがたくさんあるので、それが今は一番、大事な関係で、一番、時間をとりたい関係かな。友達っていうのじゃないかもしれないけど。

 

(「友達について」はこれにて完結です)

 

(2020年4月3日 掲載)