第30回『山茶花(サザンカ)』

さざんか さざんか さいたみち
たきびだ たきびだ おちばたき
あたろうか あたろうよ
しもやけおててが もうかゆい
 
童謡たき火は、
 東京・中野区上高田の風景を
        写したものといわれる。
しもやけおてての子も、
     落ち葉焚きも、もう見られない。
人の世は移りゆくとも、
    サザンカは同じ花をつけていく。
 
寒風がほほをなで、
  私の心も寒さの備えを始めていた。
   ふと顔を上げると、
      一輪のサザンカに嗜められた。
 
何をそんなに寒がっているの?
  何をそんなに怖がっているの?
      どんなに北風が吹こうとも、
         私は咲き続けるつもり。
 
そうだった。
  生きるってことは、
    何にでも立ち向かうっていうこと。
      もう、どんなに悩む事はあっても、
        怖がることはしないよ。
            君を見習って――。
 
山茶花の わびしき花よ 人われも 生きの限りは 思い嘆かむ
                      (長塚節)