山小屋便り

【山小屋便り10月号】「街道祭への出演 ―― 揃いの浴衣と管笠で、一体となって踊る ――」 けいたろう

勝央町出雲街道勝間田宿で行われる、街道祭があった。天神涼みのときの引き返し場所付近から踊ることとなっていた。

地域のみなさんに踊りを見ていただけることはとても嬉しいことであるし、これからもずっとこの踊りが後生に伝えられたら幸いだという気持ちで臨んだ。

曲目は『勝央音頭』、『サンサン勝央』、『ヤットサ節』の3曲。天神涼みのときにも踊ったが、気持ちや心が表れる踊りであり、一瞬一瞬の動きや止めの動作で日本の情緒を魅せることを目標としていた。

■気合いは十分

今回の街道祭で前回と異なっているのは、頭に笠をつけて踊るという点である。笠をかぶると顔が見事に隠れてしまい、見えても口元の笑みがうっすらと確認できる程度である。

年齢や目線などは分からず、背丈くらいしか見えている人からは分からない。でもきっと美しい動作やみんなに魅せるぞという想いは伝わるはずだ。

男性は私を含めて3人出ることになっていた。男性も笠をつけるのか、というとそういうわけではない。何も付けなかったのかというとそれも違っていて、我々男性陣は豆しぼりを頭に巻き付けて、ひょっとこの面を斜めにして付けたのである。つまり顔はそのままで隠れていないのである!

勝央音頭保存会の山本さんに今回も浴衣を着付けていただき、ひょっとこの面も付ける。なにか、粋な気分になってきた。

気合い十分だ。いざ、出陣である。

りゅうさん、なおとさん、私が列の最後尾に立つ。

りゅうさんも参加してくださいました

天気は晴れ。前回は雨だったと聞く。前回の分まで倍以上の質で、前進で表現してやるぞという気持ちで街道の真ん中に立った。

最前列辺りから勝央音頭の曲の冒頭が流れてくる。おお、今かと腕が、脚が自動的に動き出した。

時刻は昼間で、やや強い日差しが我々に向かって降り注ぐ。さぁ私たちの祭りの始まりだ。

■ずっと踊っていたい

祭りに来ている地域のみなさんの顔がはっきりと目に映った。明るい空の下に笠をかぶった女性陣とその後ろをひょっとこの面を斜めにつけた私たち男性陣が街道をゆっくりと移動していく。

昼間だからどんな顔でみなさんが我々の踊りを見ているのかがよく分かる。『頑張ってね」、と声援を送ってくださる方もいらっしゃった。

そのような暖かなお言葉が糧となり、元気や温かさをもらうことができるのだ。

石橋が見えてくると踊りは終わりの合図だ。なんだかずっと躍っていたいような気分だ。

音頭の歌声に包まれながら、全身をありのままにその場の雰囲気に任せて、ずっと踊り続けられたらどんなに気持ちが良いだろうか。

風の中に溶け込めたならどんなに心地良いことだろうか。

そんなことを考えながらゆったりと動きを止め、街道をあとにするのであった。