そうだ、お父さんにきいてみよう!

第217回「声を前に出して歌うには」

【質問】
 コーラスで歌うとき、声が喉から出ることについて。
 お腹の力を入れるのですが、裏声をやめようとすると喉を酷使するような使い方になります。身体を使って出す感覚がわかりません。どうやったら身体を使って歌えますか?

 
 

【お父さんの答え】
お父さん:
 裏声をやめようとすると、とありますが、いつも裏声しか出していないということですね。この人は、声を出し慣れていない人ですね。
 で、歌うときの声の出し方には、2種類あると思っています。たった2種類ですね。
 鼻腔を使わない歌い方と、鼻腔を使う歌い方です。
 普通、声をちゃんと前に出してしっかりした歌を歌おうと思ったら鼻腔は使いません。鼻腔は使わないというのは鼻を摘んで出す声です。喉からだけです。鼻を摘まなくても、鼻から息を出さないで発声することはできます。
 鼻腔を使う歌い方というのは、鼻から微妙に息と声を出す声。僕の声を聞いてください。まず鼻腔を使わない発声から。アー……。
 次に鼻腔を使う発声をしてみます。アー……。

あゆ:
 私がコーラスで言ってる、「散ってる音」は鼻から抜けてる音だよ。

お父さん:
 鼻腔を使い過ぎると、鼻歌になってしまい、ちゃんとした声になりません。
 しかし、喉からだけでなく、声に広がりを出そうと思ったら少しだけ鼻腔を使ったらいい。音程を正確にしっかり歌おうと思ったら喉からだけ、鼻腔は使わないで歌うほうがいいと思います。
 その使い分けを上手にしたら、よりコーラスがきれいになると思います。

 あゆが、もっと広がりを持って声を飛ばしてください、というときは喉を開いて、少し鼻腔を使うというのがいいでしょうね。
 そう、歌を歌うときには、基本的に喉を開きます。
 オペラ歌手の歌い方を思い出せば、喉を開いて歌うというのがわかると思います。喋ってるときには喉を開いていないので、喋り声の地声で歌うと、アー……となります。これは地声です。それが、喉を開くと、アー……。これはオペラ歌手のような感じでしょ。
 地声は平たい声、飛ばない声、やっちゃいけない歌い方です。行き止まり感がある。
 裏声だろうが裏声じゃなかろうが。身体を使うっていうのはこんな感じですよ。
 ただ、普段から小さい声でしか歌ってない人は、声の出し方を忘れていると思います。この質問の人は声の出し方ができていないんだと思う。まず声を出すということがわからないと、歌にならない。
 皆で食事するとき、1人ずつ、話しを回していますよね。話を回す時に、端っこの人まで聞こえないような声でしか喋れない人は、声を出せていないと見るべきですよね。
 声を出す、という気持ちを作り、声を出す練習をしないと、なかなか声が出ないかもしれませんね。
 声を出したらなにか身体が壊れそうな、声を出したらなにか悪いことが起きそうな、声を出したら自分の身に災難が降り掛かりそうな、そんな感じがして声を出せないんですね。臆病にならないで、声を出してみましょう、勇気を出して。というふうに思います。

 
 

(2019年9月24日掲載)