山小屋便り

【山小屋便り9月号】「狙いを定めて、スイカ割り! ―― 甘い、黄色いスイカが採れました! ――」 るりこ

この夏、野菜との嬉しい出会いと収穫がありました。

その名も、『シュガームーン』。日本語に訳すと、『甘い月』と訳されるように、丸い中玉サイズの黄色いスイカです。

なのはなでは、ここ数年はスイカを育てていませんでした。私にとっても、多くのみんなにとっても、初めて育てるスイカ。

種まきをして大きくなった苗を見たとき、スイカの葉は柔らかいヨモギ色をしているのだと初めて知りました。大ぶりなスイカとの見た目のギャップに驚いて、ますますスイカに魅力を感じました。

■スイカの成長

それからはAチームのみんなと、定期的に水やりや整枝を行なってきました。花が咲いて小さい実が着果したときは、嬉しいニュースになりました。

その実がどんどん肥大し、畑に行くたびに存在感が増していきました。絵で描くような、縞々模様が目に入るようになりました。

スイカを自分たちの手で育てて、ここまで立派に大きく育てられたことが信じられませんでした。なのはなに新しい風が吹いたように感じました。

8月の初旬の早朝作業。Aチーム作業は、野菜の収穫ツアーをしました。

マクワウリの収穫から始まり、サンカクメロン、ナス、ピーマン、ミニトマト、大玉トマト……、そして最後に嬉しい収穫が待っていました。

「スイカの収穫をします!」

リーダーのやよいちゃんがそう伝えてくれたとき、メンバーのみんなから歓声が上がりました。

畑チームでは担当野菜を決めて、メン バーを中心に手入れを行っています

今季、大人数でスイカの収穫するのはこの日が初めてでした。楽しみな気持ちを膨らませながら作業を進め、スイカが植わる梅林奧々畑にメンバーのみんなが集いました。

スイカは、梅林奧々畑と吉畑ハウスで育てています。先に収穫が始まったのが、梅林奥々畑で育てるスイカでした。

やよいちゃんが収穫の基準を教えてくれました。ヘタの部分がへこんできていること。コンコンと叩いてみて跳ね返ってくる音が響くかどうか。

この2つのポイントを見極めて、収穫の見頃かを判断します。

やよいちゃんが1玉採ってみせてくれました。

「この品種は中玉なので約4キロ程度になるのですが、持った感じ、5キロはありそうです」。

やよいちゃんの言葉通り、スイカは見た目からも大きくて、ずっしりとした重さがあるように見えました。

早速、ペアになって収穫を始めました。わたしはみほちゃんとペアになりました。

収穫基準の2つのポイントを抑えて、ヘタの状態をみたり、軽く叩いてみて返ってくる音を感じて判断しました。まだ熟れていないものは、固い音がしました。判断が難しくて、やよいちゃんに尋ねました。やよいちゃんはスイカを見て、「これはまだヘタのへこみが甘いからまだです」と教えてくれました。

畑のあちこちから、「わぁ!」と、収穫を喜ぶ声が聞こえてきました。私もその場にいるだけで満たされた気持ちになりました。

収穫を終えて、みんなで集まりました。1人ひとりが大切そうに胸に抱えたスイカはどれも大きくて、圧巻の光景でした。私が見た畝は収穫できるものがありませんでしたが、まちちゃんが収穫したものを持たせてもらうと、予想以上に重たくてびっくりしました。持っているだけで嬉しくて、まるで赤ちゃんを抱っこしているようだなと思いました。

1人1玉持って、農産倉庫へ戻りました。行き交うみんなが、「わぁ!スイカだ!」「でかい!」と反応してくれて、そのみんなの表情にますます嬉しくなりました。

収穫したスイカは食堂のテーブルに並べ、お父さん、お母さん、みんなにも見てもらいました。この日収穫したスイカは、全部で10玉ありました。

お父さんが、

「スイカは育てるのは難しい。これまで育ててきたことはあったけれど、鳥の被害に遭ってしまった。こんなに上手く育ったことは少ないから、とても嬉しい」

と話してくれました。これまでAチームにみんなと育ててきたことを思い、お父さんの言葉がとても嬉しかったです。

嬉しいことはまだ続きます。

収穫したスイカはそのままいただいたのではなく、みんなでスイカ割り大会をしました。

私は人生初めてのスイカ割りでした。一度やってみたいと思っていた小さい頃の夢が現実となって、とてもわくわくしました。

■思い切り!

スイカ割り大会は、あけみちゃんとやよいちゃんが実行してくれて、全5チームによるハウス同士での対決となりました。夏休みでなのはなに遊びに来ていた、かりんちゃん、りひとくん、にこちゃんも一緒です。

会場の中庭には、ハウスチームごとにオレンジや緑色の旗が飾られて、ムードが出ていました。

1回戦目は、マクワウリとサンカクメロン割りの対決です。今季、大収穫だったマクワウリが冷水に冷やされて、たくさん用意されていました。

ステージとなるブルーシートの両端に、それぞれマクワウリとサンカクメロンが並んでいます。野球ボール大のマクワウリを割ったら30ポイント、マクワウリより2、3回り大きいサンカクメロンを割ったら10ポイント。目が見えないなかで、小さいマクワウリをめがけて割るのはとても難しそうに思いましたが、どのチームも得点の高いマクワウリを狙いました。

勝負は、1対1です。ステージの真ん中に両者が立ち、ハンカチで目を覆ってから、3周回ります。あとは、チームの人の声による誘導で進んで、棒を振り下ろします。

勝負はとても盛り上がりました。「真っ直ぐ!」「右!右!」「オーケー!! 下ろして!」会場からたくさんの歓声が起こり、棒を持って進む仲間を必死に応援しました。

マクワウリめがけて真っ直ぐ進み、きれいに真っ二つに割れたときは大きな拍手が起きて、反対に方向違いに進み、マクワウリからかけ離れた場所で必死に棒を叩きつけている子には、笑いが止みませんでした。

みんなが次から次へとマクワウリを割っていく姿が、見ていて気持ちよくて、わたしの心までスカッとしました。

いよいよ、私の番が回ってきました。ハンカチで目を覆うと、思っていた以上に視界が遮られました。さらにそこから3周回ると、平衡感覚がなくなり、自分がどの方向に向かって立っているのかもわからなくなってしまいました。これは相当難しいぞと思いました。

やよいちゃんの合図で始まりました。その途端、周りからたくさんの歓声が聞こえてきました。「真っ直ぐ!」「左に寄って!」そのなかからチームの子の声かけを聞き分けようとしたのですが、全くわかりませんでした。右に進めばいいのか、それとも左なのか。予想以上の難しさに、身体と頭が固まってしまって、動けなくなってしまいました。

そのとき、「ピー!」と笛の音が鳴り、「かなちゃんがマクワウリを割りました!」というあけみちゃんの声が聞こえました。ハンカチを取ると、反対側で喜ぶかなちゃんの姿が見えて、(あっ、先に割られてしまったんだ)とわかりました。悔しくて、これはリベンジしたい! と思いました。

それからは他の子の試合を観戦しました。始まってまもなく割る子を見ていると、思い切りの良さが必要なんだとわかりました。心の目でみて、(ここだ!)と思うところめがけて真っ直ぐ進む。そして、思い切り棒を振り下ろす。

私は、一歩のズレもなく割らないといけないと、固く考えすぎていたんだと思いました。もっと頭も心も柔軟にして、少し羽目を外すくらいの勢いで、思い切り遊びたいと思いました。

2試合目は、合図の笛と同時に動き出しました。当たっても当たらなくてもいいから、まずは動いて、そして棒を振り下ろそうと思いました。残念ながらマクワウリには当たらなくて負けてしまったけれど、初めてのマクワウリ割りを自分なりに楽しむことができたと思いました。

■鮮やかな黄色

2回戦目は、いよいよスイカ割りです。採れたてで大玉の『シュガームーン』が六玉用意されて、ステージの両端に1玉ずつ置かれました。

スイカ割りはチームから代表の子が出場して、私のチームからはれいこちゃんが選抜されました。

スイカ割り対決の1試合目は、りひとくんとにこちゃんが戦いました。やはりスイカはマクワウリよりも大きいので、比較的すぐに棒に当たりました。でも何度振り下ろしても、大きなスイカはなかなか割れなくて、りひとくんが、「叩きすぎて、手が痛い!」と叫んでいた姿が印象的でした。

れいこちゃんがスイカを割ったときは、私もとても嬉しかったです。きれいに半分に割れて、なかから鮮やかな黄色が現われました。本当にきれいな色でした。

お母さんが割れたスイカをその場で切り分けてくれて、みんなでかぶりつきました。汁が滴り落ちて、甘さが口の中で溢れました。

「美味しい!」と声が出ました。これまで黄色いスイカはあまり食べたことがなかったけれど、赤いスイカと変わりなく、十分甘かったです。

それからも、バーベキューやセブンブリッジ大会などのなのはな内でのイベントのときには、スイカが定番のおやつになりました。

初めてスイカを育てて、スイカを育てたり、いただく嬉しさを感じられただけでなく、楽しい夏の思い出を、たくさんプレゼントしてもらえたなと思いました。

 

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地這いキュウリの定植をしました!

河原畑に地這いキュウリの定植をしました。 大人数で、畝立てから定植、藁敷き、ネット掛け を行いました。定期的な追肥では、自家製の米糠ぼ かし肥を施していきます
地這いキュウリは、通常のキュウリからバトン タッチして、9月初旬から10月にかけて収穫して いきます。収穫に向けて、みんなで手入れを進めて いきます