山小屋便り

【山小屋便り8月号】「進化していく、桃ジャム作り ―― さらに香りが広がる味わいに ――」 ゆきな

なのはなの桃ジャム作りが始まっています。メンバーも新しくなり、あやかちゃん、さくらちゃん、休日にはよしえちゃんが入って、この夏の桃ジャムを作っていきます。それぞれ品種を分けて、その桃の特徴、おいしさがわかるようにしていきます。

桃を切っているときから、角がない丸くて、心落ち着く甘い香りが家庭科室を包みます。

「幸せだね」

あやかちゃんとさくらちゃんが嬉しそうに話します。あんなちゃんが育ててくれた桃。それをふんだんに使ったジャムを作れることが贅沢です。

桃を鍋に入れて、桃と砂糖で煮込みます。桃と砂糖というシンプルな材料でジャムに変身してしまうことを思うと、面白いです。

煮つめていくと、桃と砂糖が1つとなって、お互いの良さを引き出しているように、香りも強くなり、とろみも表れます。

時間が立つほど、色も、香りの強さも、カットした桃の形も変わっていきます。その変化を感じながら作ります。少しでも気を抜かないように、同じ品質のものを作れるようにしていきます。

7月上旬は『加納岩白桃』と『日川白鳳』をメインで桃ジャムを作りました。品種で特徴が違うことを実感できるのも、桃ジャム作りの楽しさです。

『日川白鳳』は、身体にすっと入っていく馴染みある香りがします。灰汁は『加納岩白桃』の方が長い時間じっくりと出てきます。果肉は『加納岩白桃』が形が残りやすくて、マッシャーで潰していきます。それに対して、『日川白鳳』は果肉が溶けやすくて潰す必要はありません。

「品種ごとにその桃の特徴をまとめて書けたらいいね」

桃ジャムメンバーでそう話しました。1つひとつの品種で、香りも色も味も灰汁の出具合も少しずつ変わってくると感じるので、それをはっきりしていきたいです。それが、次のジャム作りに繋がるなら、さらに力が湧きます。

煮つめるほど、ジャムにとろみが出てきます。完成の見極めは、昨年に残してあるタイムスケジュールと、ジャムを木ヘラでかいたときの緩さや水分の状態、ジャムを水に入れたときの塊具合で判断していきます。

ジャムをずっと見ていると、今しかないのでは、と思えるような、できあがりがわかるときがあります。それが3人とも一致するときが嬉しいです。

■『ジャムヌ・ダルク』

瓶に入れると、桃の果肉が見えます。そのままでも食べ応えがありそうなジャムです。

あやかちゃん、さくらちゃんがいつも穏やかに、潤いを持ちながら作っていることを感じます。ジャム作りを好きになって、楽しんでいることを、言葉や鍋の中を見る優しい表情で伝わります。

チーム名も決まっています。ジャンヌ・ダルクにちなんで、『ジャムヌ・ダルク』です。お母さんに以前、桃ジャム作りについて相談したときに、「ジャムヌ・ダルクになればいいのだよ」と話してくれた言葉がずっと頭の中に残っていました。

そのことを話したときに、あやかちゃんが、

「ジャムの新しい道を切り拓く」

そう話してくれたとき、嬉しくて笑ってしまいました。

自分にとって、なのはなの桃ジャム作りの基礎を作ってくれた、なのはなの先輩たちがジャムヌ・ダルクのような存在です。だから先輩たちが作ってくれた大切にする部分を残し、良くする部分を進化させたいです。

また、ジャム作り用にホーロー鍋も新しく使う予定です。鍋でどんな違いが出るか、また楽しみが1つ増えました。

チームプレイで桃ジャムを作っていきます。この夏、どんな出会いがあるか、新しく進化できるか、楽しみです。