山小屋便り

【山小屋便り8月号】「地域の伝統を継承する ―― 男性陣が加わり、厚みが増した勝間田天神涼みの道中流し ――」 るりこ

なのはなファミリーから34名が出演しました 

勝央町勝間田天神涼みの道中流しに出演しました。

このイベントは旧出雲街道勝間田宿の石畳の道を踊りながら練り歩くお祭りです。7月のイベントの始まりでもあり、地域の方々との繋がりを感じられる大切なイベントの1つです。

本番当日は17時に会場近くの公会堂へ行き、浴衣の着付けをしました。勝央音頭保存会のお揃いの浴衣です。白地に紺の模様に浴衣に、黒と金色の帯。シンプルで清楚な浴衣を着ると、大人の女性に近づいたような気持ちになって背筋が伸びる思いがします。

着付けは2人1組になって、お互いに丈の長さやお端折りの処理を助け合いながら着付けました。私は、はるかちゃんとペアになりました。

はるかちゃんが、私が着付けやすいように補助をしてくれました。そして最後に、「きれい」と笑ってくれて、はるかちゃんのその優しさがとても嬉しかったです。

着付けの最後に、赤いたすきをかけました。赤いたすきをかけると、シンプルな浴衣に一気に色味が出ます。お揃いの赤いシュシュの髪飾りと、赤い口紅を差したら、着付けの完成です。

今回は男性陣のりゅうさん、なおとさん、けいたろうさんも、一緒に参加しました。男性陣も保存会のお揃いの浴衣で、白地に青の差し色が入っているものでした。保存会の方々も、「男性が入ってくれて嬉しい」と喜んでくださいました。

なおとさん、りゅうさん、けいたろうさんも、保存会のお揃いの浴衣を着付けました

■心が躍る

会場の沿道には屋台が建ち並び、大勢のお客さんで賑わっていました。そのなか、19時のお祭りの開始に向けて、応援組の子たちが会場まで来てくれました。なかには、岡本さんや正治さん、永禮さん、あゆみちゃんとひでゆきさんの姿もあります。

すぐそばで、たくさんの家族が見守ってくれていて、リラックスした気持ちで臨むことができました。

応援組のみんなは、お父さん、お母さんが選んでくださった浴衣を着ていて、遠くからでもその色とりどりの浴衣姿に、「あっ、なのはなの子だ」と見つけることができました。

あゆちゃんが水色の帯を締めていたり、さとみちゃんがピンク色の鮮やかな浴衣を着ていて、どの子もぴったりと似合っていました。浴衣1つでも、夏のお祭りは心が躍るなと思い、私も気持ちが高まりました。

19時になると、1曲目の『勝央音頭』の音楽が流れ始めて、河上さんが先頭に並ぶ2列が動き出しました。(いよいよ始まる)と気持ちを入れ直して、曲の気持ちに切り替えました。

今回は、『勝央音頭』『サンサン勝央』『勝央やっとさ節』『イケイケ人生』『炭坑節』の5曲を踊りました。往路は『イケイケ人生』までの4曲を、復路は4曲目が『炭坑節』に変わります。

「やっとさ!」の掛け声を歌いながら踊ります

1曲目の『勝央音頭』は最もポーズの変化が多い曲です。覚える大変さはあったけれど、移り変わっていく1つひとつのポーズがきれいで、気持ちを込めやすく踊りやすい曲です。

2曲目の『サンサン勝央』は、腰から胸の前、頭の横の三段階で手を叩く振りが特徴の踊りです。他の踊りにはあまり見られない上下の動きがあって、そこが見せ所です。

3曲目の『勝央やっとさ節』は180度、90度と身体の向きを変える回転が何度も出てきます。横の子と身体がピタッと重なることで、列がきれいに見える踊りです。

4曲目は『イケイケ人生』は、タイトルのように明るくて楽しい曲調です。「イケイケ人生、イケイケ人生……」という歌詞に合わせて、腰を前後に振る、フラダンスに出てきそうなポーズがあります。

また、手を左右に大きく伸ばす振りがあって、私はそのポーズが1番気に入っています。踊っていると自然と笑顔になれる明るい曲で、私は『イケイケ人生』が好きです。

5曲目の『炭坑節』は、スコップで炭鉱を掘っている振りや、肩に担ぐポーズなどが出てきます。シンプルな振りなだけ単調に見えてしまうことがあって、個人的には5曲のなかで踊るのが1番難しいと感じた曲です。でも、たくさん練習を重ねてきたことで、本番は自信をもって踊ることができました。

■『笑顔』

沿道には大勢のお客さんがすぐ傍にいて、思い切り腕を振って踊るとぶつかってしまいそうになることもあるくらい、お客さんとの距離が近かったです。

そのなかで、多くの方々があたたかく見てくださり、なかにはカメラを構えている方や、屋台の中から一緒に踊ってくださる方もいました。

私が1番嬉しかったことは、1人の男性の方が、「みなさん、笑顔がすてきだ」と褒めてくださったことでした。その言葉を胸に、見てくださっている方に向けて、なのはなの子として笑顔で堂々と踊りました。

出発前はまだ夕暮れだった空も、復路に入るころには辺りが暗くなり、沿道に並ぶ提灯に明かりが灯りました。天神涼みのなかで、私はこの時間帯の景色が1番美しいなと感じます。

楽しい時間はあっという間に過ぎ去ります。最後の曲がり角が見えてきたとき、(まだまだ踊っていたい)(終わらないで)という、名残惜しい気持ちが押し寄せてきました。

曲がり角を曲がる、最後の最後まで踊りました。隣ののんちゃんもそうでした。のんちゃんも同じ気持ちなんだろうなと思いました。

帰ってきたみんなも口々に、「楽しかった!」「もっともっと踊りたい!」と話していました。みんなの表情が満足感で満ちていて、輝いてみえました。

天神涼みでは、地域の方々の温かさを感じながら、最後まで楽しく踊ることができました。勝央音頭保存会の一員として、地域の伝統を受け継いでいけることが嬉しく、誇りに思いました。

私は、天神涼みに向かう過程が心に残っています。

約2週間前から、踊りの練習が始まりました。始めの1週間は、まだ輪踊りを踊ったことがない子も一緒に、曲ごとに振りの確認をしました。ゆりかちゃんが引っ張ってくれる空気が明るくて、踊り練習の時間が好きでした。

■魅力がわかると

振りが身体入った本番の1週間前からは、お父さんが全体の指導をしてくれました。

脇を開けて、大きく踊ること。自分の視界に入る範囲で抑えを効かせて踊ること。目線を意識して、目で踊ること。お父さんが全ての曲に通じる、踊りの基本を教えてくれました。

それから、1曲ごとにポイントや見せ所などを細かく指導してくださいました。良くなるために、お父さんが何度も何度も教えてくださいました。

お父さんに教えてもらうと、どんどん踊りやすくなっていきました。そして、1曲1曲の魅力がわかってきました。

■自信をもって

そうすると、その曲がより好きに思えてきて、よりきれいに踊りたいと意欲が湧いてきました。練習を重ねるごとに、その気持ちは膨らんでいきました。お父さんが教えてくださることを正しく吸収したいと思いました。

そして本番の日。会場に向かう前の約一時間、最後の練習をしました。最後の最後までお父さんが良くするべきところを教えてくれて、最後に、「これだけ踊れたら十分良いでしょう」と言ってくださいました。お父さんのこの一言が自信になって、本番、思い切り堂々と表現することができました。

本番までの過程を通して、練習は嘘をつかないことを学びました。それはどのことにも通じると、改めて感じることができました。

これから、なのはな納涼祭や街道祭でも輪踊りを踊ります。今よりもっと高いレベルで踊れるように、みんなと練習を積み重ねていきたいです。