第9回『ルドベキア』

君がこの世に生まれ落ちた日のことを、
僕はよく覚えている。
頭がまん丸で、
顔には少しの歪みも変形もシワもなく、
本当に最初からきれいな赤ちゃんだった。

特に何かを期待したわけじゃないけれど、
期待されようが、されまいが、
私はわたしのペースで生きていきます
そう言っているかのような、伸びやかな表情、
怯えも、迷いもない、誇りさえ感じられる寝顔

そしてきみは、とても正義心の強い女の子に育った
弱い立場の人を決して忘れず、
自らは清楚で、驕りなく、
どこまでも正しく、清く生きていこうとしているきみ。
この世界で、そんなふうに生きていくのは、
そんな簡単なことじゃないはずなのに、
きみはどこまでも軽々と――。
ルドベキア、きみを思い出させる花。

(2019年8月19日 第9回)