【山小屋便り8月号】「確立していく、新水遣りシステム ―― 作業性と効率が上がっていく喜び ――」 やよい

去年の夏、猛暑が続き、照った日が長く続き、雨が降らない期間が続きました。

いつもの感覚なら水遣りをあまりしない、野菜、大豆、サツマイモが水不足になってしまい、質や収量が落ちてしまいました。そして、その他の野菜でも暑さ、水不足、この異常気象に大きく影響を受けました。

この問題を解決すべく、お父さん筆頭になのはなファミリーは動きだします。なのはなファミリーで作っている野菜の畑の数は、約40枚(田んぼと果樹をのぞいて)。誰でも簡単に、そして同時並行で数多くの野菜に水を与えるシステムを確立しています。

各畑にタンクを1台、大きな畑には2台設置して、タンクの排出口に蛇口をつけます。タンクを1枚上の畑に設置して、蛇口からホースを繋ぎ、畑の斜面を通って、野菜へ水を与えます。エンジンポンプを使用せずとも、高低差で水の勢いが出てホースからスムーズに水が出ます。

今までのホースではなく内径19ミリのホースを新しく使用します。内径が大きいホースを使用することで水の流れがよりスムーズになります。

各畑にタンクを設置し、ホースで水遣りをする人とタンクに補充していく人に役割を分担するという新しい方法で作業を回します。

ホースを持って、水遣りをする人は畑にずっといます。タンクの水が無くなる前に補充専属の人がタンクに補充をします。

各畑に水遣りをする人が何人かいても、補充専属の人が畑を周り、タンクに補充をし続けることで水遣りを滞りなく進めることができます。

これが水遣りの新システムです。

どうしても高低差がつけられない畑があります。その畑はエンジンポンプを使用するか、物理的に高低差をつけて水やりをします。

各畑に必要なホースの長さをちさとちゃんを中心に測り、出していきました。高低差を使う畑と使わない畑、900リットルのタンクか、500リットルのタンクを置くのか、新システムを作るため、一から作り上げるため、初めはとても時間がかかりました。

■ユニークなアイデア

けれど、作り上げてしまえば、あるべき形にたどりつけばシステムが容易に回るはず。はじめの苦労はこの先の未来を考えるとなんてことのないものです。この新システムが未来の農業に繋がると信じて疑いません。

各畑に必要なタンクを全て設置し、蛇口から必要な長さのホースを繋ぐ段階までできています。

お父さんのユニークなアイデア。ホースの先にキャップをつけるアイデアでさらに水遣りがやりやすくなりました。

ホースを持って水遣りする場所から蛇口までの距離が遠いと、水を止めるために蛇口まで移動する間、水は出しっ放しです。

しかし、お父さんのアイデアで、ホースにタケノコという継手を繋ぎホースバンドで止め、タケノコにシールテープを巻いてキャップを取り付けます。キャップがあることで、キャップを取り外すだけで水を簡単に止めることができます。次の畝に移る短い時間も一時的に水をとめることができます。

そしてもう1つ。ホースを分岐させます。

大きい畑にホース1本だと、1枚の畑に1人の人しか水遣りをすることができません。その問題を解決するため、途中でホースを切って、3つ叉にする金属部品を繋げそこからホースを2本、または繋げようによっては3本にホースを分岐することができます。

分岐することによって,水の勢いが分散され弱くなってしまうのではないかという心配もありました。

分岐ホース第1号、崖崩れハウス3棟はそんな心配を一層させました。水の勢いは3本に分岐しても、1本のときと変わらず勢いよく流れました。

崖崩れハウス3棟は手にジョウロを持ち、6人で30分程度かかっていた水遣りが4人で20分で終わるスピードに変わりました。

■作業性を求めて

キャップもそうなのですが、この分岐のアイデアは心をくすぶられるような部分があります。どの畑はどの場所で、どういう風に、いくつに分岐するのか考えはじめるとわくわくします。なのはなの畑にホースが分岐されていく光景を想像すると、まさに近未来農業といった光景です。

お父さんはいつもでも、どうやったらもっと作業性がよくなるか、効率が上がるか考え続けています。私はその姿を日々感じ、お父さんの姿を追いかけながら成長させてもらえることがとても嬉しいです。

お父さんの高いレベルで改良していく姿を見て、私もそうありたいと思います。思っているだけではいけない、そうなるんだと思います。

私は部品のことをお父さんに聞きました。

「どこでこういう知識を身につけたのですか?」

「一から、調べたんだよ。いつでもそうだよ。何か始めるときは一から調べて、そのことをきっかけにして深めていく」

目的のために理解したい、深めたい、という気持ち。そして、それを実行する努力をすれば、新しいことでも覚えていくことは不可能なことではないです。能力に関わらず自分の努力次第で理解は深められるものだと気づきました。

高低差を出すために、ドラム缶を3台を三角形に並べてその上にタンクを乗せるという方法が新しく加わりました。ホースを分岐させる畑もまだ残っています。

システムはまだ未完成、発展途上にありますが、日々進化しています。

本番は猛暑が続き、雨が降らない日が続いたとき、この新システムを上手く回すことができるか。みんなと水遣りシステムを完成させるため力を尽くします。