山小屋便り

【山小屋便り5月号】 「2年後に向けるタイムカプセル ―― 盛男おじいちゃんとシイタケの菌の植え付け ――」 るりこ

「キノコの菌の植え付けに行きます」。

なるちゃんがそう声を掛けてくれたとき、とても嬉しくなりました。なるちゃんとさやちゃんと、盛男おじいちゃんに教えていただきながら、シイタケの菌を植え付けました。

山小屋の裏山を登ると、すでに30本ほどのほだ木が用意されていました。先日、盛男おじいちゃんの山で伐採した、楢の木のほだ木です。

■種菌の形と香り

早速、盛男おじいちゃんが、ドリルを使ってほだ木に穴を開けてくださいました。ドドドドッ……。約15センチの間隔で、直径1センチ、奥行き3〜5センチほどの穴が次から次へと開けられていきました。盛男おじいちゃんが、「キノコは、木の縦の繊維に沿って生えるんだ」と教えてくださり、キノコが繁殖するイメージが湧きました。

1本のほだ木に約70の穴が開け、そこへ種菌を植え付けました。

種菌はコルクのような形をしていて、菌と思われる白いふわふわが付いていました。触ると固く、鼻を近づけると、薄らキノコの香りがしました。

種菌を穴へ差し込むと、スポッと入りました。盛男おじいちゃんが、「しっかり奥まで入れてね」とおっしゃり、さらにその上から金槌で叩き、しっかりと埋め込みました。1つひとつの穴に種菌を植え付けていきました。これから菌が繁殖し、シイタケが生えることを思うと、タイムカプセルを埋めているような気分でした。今回、植え付けたものは、約2年後に収穫できるそうです。

盛男おじいちゃんに教えていただき、わたしも穴開けドリルに挑戦しました。少し緊張したけれど、なるちゃんが補助をしてくれて安心してできました。思っていたよりも軽い力で穴が開きました。同じようにドリルを使ったなるちゃんが、「自分がキツツキになった気分!」と言い、盛男おじいちゃん、みんなと声を上げて笑いました。ほだ木を1周するように、たくさんの穴が並びました。

■落とし込んで

広く静かな山に、ドリルの音と、時にみんなの笑い声が響きました。興味深い作業や盛男おじいちゃんが話してくださることに、自分の知らなかったことがたくさん流れ込んでくるようでした。野菜の栽培法だけでなく、こうしてキノコの栽培法も学ぶことができ、貴重な体験をしっかり自分のなかに落とし込みたいと思いました。