特集-第27回津山加茂郷フルマラソン全国大会

「ミニマラソンを終えて」 れいこ

○これが私の気持ちです

「これが私の気持ちです!」

そう自慢してみたくなるくらい、自分の心と身体を誇らしく思えました。

ミニマラソンの部に出場して、たくさんの応援に支えながら練習してきた過程があっての、四キロを走り抜けて、凝縮された喜びや達成感を感じました。
そして、フルマラソンを走るみんなの応援には、特別な思いがあって、大きな感動と勇気をもらいました。

〇継続

1月9日から、フルメニューが始まりました。
初めは、2.5キロの梅の木コースをみんなで並んで走って、これから約3か月でどう変わっていけるのだろうか、未知の自分への期待感と、一方で自分にできるのだろうかという不安だったことも、どちらも正直な、本当の気持ちでした。

私は今まで継続が苦手で、粘りのなさがコンプレックスでした。
それに、「練習」というのは、追い込んで、辛さを乗り越えてなんぼというイメージがありました。
でも、あけみちゃんたちが組んでくれた、なのはなのフルメニューは、まず一番に楽しくて、小さな達成感や喜びの積み重ねのようでした。
あけみちゃんの作ってくれるペースは、みんなで最後まで頑張って、一緒にゴールしようという、優しさにあふれていて、そのおかげで私も一度も焦ったり辛くなってりせずに練習することができたと思いました。
今までの価値観も、180度変わりました。
色んなお題を回しながら走っていると、面白い答えを想像してワクワクしたり、みんなの答えを聞いて笑ったり、ほっこりしたり……。
きつい坂もあっという間に越えられていました。

個人走になっても、あけみちゃんが作ってくれたペースがしっかりと体に沁み込んでいて、全身でいっぱいに自然を感じながら走れました。
いつもヒバリやウグイスたちが、可愛らしい大合唱で迎えてくれました。
毎日同じコースを走り続けたから、この道も、木も、川も、お花も、鳥も、全部友達なんだと思ったら、嬉しくなりました。
自分だけの世界が広がるような楽しみもできました。
なのはなの子とすれ違ったとき、「ファイト!」と声をかけてもらったこと、地域の方々の応援に大きなパワーをもらいました。

特に印象に残っているのが、個人走で奈義コースを走るようになったころから、毎朝応援してくれたおじさんのことです。
いつも田んぼ仕事をしているところに出会って、声を掛け続けてくれました。
ある日はバイクですれ違って、「あと20日! 頑張れよ!」と言ってくれました。

なのはなの子がフルマラソンに向かって練習していることを、地域の方々が温かく受け入れてくださって、見守っていてくださったおかげで、安心してのびのびと走ることができたし、頑張る原動力になりました。
 

〇自由に身体が動く喜び

私は元々、走ることが好きで、自信がありました。
小学校のとき、市の陸上大会で優勝して、中学では陸上部に入りたいと心に決めていました。
でも、摂食障害の症状がひどくなって、体力も気力もなくなって、運動のための運動は苦しくてたまらなくて、結局できませんでした。
自分の身体が、まるで自分のものではなくなってしまったような感覚を味わい、怖さと悔しさでいっぱいになったこと、そして、やがて闘うことも諦めたことは忘れません。
あまりずっと力のない状態で過ごしていたために、自分は生まれたときからこんなだったかもしれないとも思えてきて、もうよく分からなくなっていました。
でも、ミニマラソンを走っているときは、エネルギーに満ちていました。自信に満ちていました。
マラソンへ向かう過程で、よく食べよく動き、確実に体も強くたくましくなっていくのを感じました。
自分の身体が、自分のものとして、自由に動ける喜びを、改めてかみしめました。
過去の自分と較べたり、何を言いわけするわけでもなく、その時のベストを尽くせたということに、満足感がありました。
今なら、あの悔しさも良かったと思えます。
もう何の未練もないくらい、一度はぶち壊れたから、迷いなく進んでいけるんだと思いました。

〇フルマラソンの応援を通して

標高の高い加茂では、桜が丁度見ごろで、きれいでした。
その桜の木を眺めながら、お重に入ったお弁当を、ミニマラソンのみんなと河上さんやおじいちゃんたちといただきました。
全力で駆け抜けたあとで、愛情たっぷりのお弁当が、身体に沁みわたるように美味しかったです。
そして、また元気いっぱいになって、今度はフルマラソンの応援に行きました。
私たちは先頭を走る人たちの担当で、車で追っていきました。
その道中でも、たくさんのみんなにすれ違いました。
一人ひとり後姿を見つけるたび、嬉しさで胸がいっぱいになって、大きな声で名前を呼びました。
段々足が重くなってきて、苦しくなってきていたと思うけれど、誰もが笑顔を向けて、手を振ってこたえてくれました。
これまで、一緒に走って、練習してきた仲間であるからこそ、特別な思いがありました。
前日は私も一緒に緊張したし、みんなが走っているときも祈るような気持でした。
みんなの表情が明るかったです。
長距離を走るなかで、なのはな以外にもペースを同じくするパートナーを見つけて、一緒に走っている人もいました。
走っているみんなはもちろん、応援するみんなも、サポーターの方々も、そこに関わる人すべてがいきいきとしていて、それがマラソンの魅力だなと思いました。

そのあとは、グラウンドに戻って、ゴール付近でみんなを待ちました。
なっちゃんとちさちゃんと一緒に、グラウンドに入る手前の坂の下で応援していました。
40キロ以上の道のりを越えて、そこまでたどり着いたみなさんの顔が凛々しくて、かっこよかったです。
そのなかでも、なのはなの子の顔が見えたときは、やっぱり嬉しさが爆発するような気持で、「おかえりなさい!」と叫びました。
りゅうさんやひでゆきさんの姿も見えました。

〇なのはなの子として

そして、最後になおちゃんを待ちました。
なおちゃんは今、仕事がとても忙しくて、毎晩帰るのも私たちが寝たずっと後です。
休日もほとんど会える機会もなくて、もちろん練習する時間もなかったです。
でも、絶対に走るぞという、ゆるぎない強い気持ちがありました。
私だったら、言い訳したくなったかもしれません。出るなんて、言えなかったと思います。
それでも、なおちゃんは、どこまでもなのはなを大好きな気持ちで、いつも目の前のことに謙虚な心を、忘れていませんでした。
そんななおちゃんが、かっこよかったです。
六時間のタイムリミットまで、あと残り五分になっても、なおちゃんはまだ見えませんでした。
残り四分になって、三分になって、二分になったとき、思わず走り出しました。
なおちゃんの方へ、走っていきました。
すぐに、なおちゃんと、伴走するまえちゃんの姿が見えました。
私も、一緒に走りました。
どれだけの気持ちで、ここまでたどり着いたか分かっていたけれど、「なおちゃん、頑張れ!」と言っていました。
なおちゃんは、最後の力を振り絞って、スピードを上げました。
グラウンドに入ったとき、六時間を超えていましたが、「タイマーは止めません。ご自分のペースでゴールしてください」というアナウンスが聞こえてきました。
最後の1周半を、なのはなのみんなで一緒に走りました。
グラウンドにいるみんなが見守っていました。
最後まで、強さと優しさで走り切ったなおちゃんから、なのはなの子として、あるべき姿を教えてもらいました。

〇これからに繋げていく

マラソンまでの過程を通して、本当に多くのことを学び、経験させてもらいました。
まずは、何事も周りの人の支えがあってこそということです。
お父さんお母さんや、マラソン経験者のみんなが、たくさんの情報を共有してくれたり、練習やペースを作ってくれたりしたので、安心してチャレンジすることができました。
台所の河上さんたちが、おいしいお弁当を用意してくれたり、ドリンクやあめなども配ってくれて、暑い中でもばてずに、楽しめました。
おじいちゃんや永禮さん、リュウさんや卒業生のみんなの姿などから、なのはなの大きな輪を感じて、勇気をもらいました。
これからも、未熟ながらも精一杯自分の力で立とうとすること、そして周りの人への感謝の気持ちを忘れずに、謙虚に生活していきたいです。
改めて、目の前の人やことに、誠実に大切に向かって、これからに繋げてい着たいと思いました。
まだ見ぬ誰かに、そしてまだ見ぬ自分に、出会っていきます。


●第27回津山加茂郷フルマラソン全国大会【感想文集】●

「みんなとの積み重ねが力に変わる」るりこ

「みんなとの宝物」まなみ

「自分ではないこと」まゆみ

「フルマラソンで学んだこと」まゆ

「夢の初舞台」まち

「まだ見ぬ誰かに繋げるフルマラソン」のりよ

「ミニマラソンを終えて」れいこ