山小屋便り

「秋の桃の木 ―― 桃の秋季剪定をして ――」 あんな

石生畑に植わる20年生の桃の木『加納岩白桃』

最後の実を採る頃には、葉が、ひらひら、舞い落ちました。収穫を終え、枝が軽くなった桃の木は、少し疲れているように見えました。
(お疲れ様)
という気持ちで、桃の木を見ていると、何かしてやりたい気持ちでいっぱいになりました。
しかしながら、全体的に木の勢いが強かったため、今年は礼肥を控えることにしました。その代わり、葉が活き活きするようにと思いながら、葉面散布をしました。

桃は既に、来年の収穫に向けて準備が始まっています。
9月2日から15日に、桃の秋季剪定をしました。
桃の剪定は、年2回しています。今の時期の秋季剪定は、基本的に日当たりの改善や、強すぎる樹勢を落ち着かせるといった目的があります。
今回は、すべての木には行わず、石生の加納岩白桃5本と、浅間白桃1本をはじめ、池上桃畑の清水白桃や、なつごころ、払子台木、古畑の白鳳と紅清水、一部のPEH7号の苗など、畑や品種や樹勢を考慮して、剪定する木を決めました。

 ■桃と対話して

収穫をしているときに、枝が混んでいるなと感じていたところや、脚立を立てての作業の邪魔になっていた枝を中心に落としていきました。今の時期は、葉がついているので、とてもわかりやすく感じました。
石生畑の、20年生の加納岩白桃から始めました。なのはなの桃作りがスタートした、愛着のある木です。歳を取ってきて、古びてしまった枝のなかに、若い枝が混在しています。随時、枝を更新していくことを考えています。

一緒に作業をしている、ふみちゃん、まことちゃんに、自分ならこう切る、というのを伝えました。どんな切り方をしても、桃は生きています。でも、必ず、「あるべき形」があるはずで、それに近づけたいという思いです。

剪定をしていると、「いつ、どの枝を、どれくらい切るか」ということは、常に冬剪定と繋がっているというより、前後の冬剪定とセットになっているのを改めて感じました。
木の1本ごとにそれぞれ、日当たりや、切る量、切る時期、木の勢いなどを加減します。難しいですが、桃と対話しているような気持ちで面白いです。

 

桃畑を廻りみんなで水やりをしました。写真は3年生の桃の木

今年の3月に植えつけた、1年生のPEH7号や白鳳には、支柱を立てて誘引をしました。
ふみちゃんと一緒に開墾畑で作業していると、近くの桃園の方が声をかけてくださり、
「おせっかいかもしれないけど、三本立てにするなら……」と、支柱の立て方や、誘引のしかたを教えてくださいました。とても、嬉しかったです。
これまで、自分で考えてやってみてはいたのですが、どうもあまり上手ではなくて、今思うととても幼稚でした。
教えていただいた方法には法則のようなものがあり、それに則ってすると、自分でも惚れ惚れするほど美しく仕立てることができたし、やっていてとても楽しかったです。

まだまだ、自分の知らないことがたくさんあるのだと思います。桃の成長についても、手入れについても、天候との関係や、病害虫についても、1つひとつの作業や、桃の変化を、きちんと体得して、良い桃を作りたいです。

もっと桃を理解したいと思います。もっと桃の気持ちを汲めるようになって、桃に尽くしたいです。
9月は、剪定のほかに防除をしたり、9月の終わりから10月上旬に入れる基肥の施肥設計をしました。また、新しい桃畑の開墾も始めました。
次のシーズンに向けて、心を使って桃に向かっていきたいです。