そうだ、お父さんにきいてみよう!

第7回「摂食障害の人が片付けが苦手だったり、約束の時間に遅れてしまうのは何故ですか?」

質問

摂食障害の人が片付けが苦手だったり、約束の時間に遅れてしまうのは、何故ですか?
私は特に遅刻がひどかったです。受験とか、絶対に遅れてはいけない時はちゃんとできるのに、普段は必ず遅れました。
どうしてなのでしょうか? どうしたら、ちゃんとできるのでしょうか?

 

答え

気持ちに苦しさがある人は、時間通りに動く事ができにくい面があります。
これは、決断力がないというのと、関係があると思っています。

例えば、お店で赤いセーターと青いセーターがある。迷って迷って、迷った末に、赤がいいと決めて、赤を買ってきたら、帰って来た途端に、ああやっぱり青にすれば良かった、と思ってしまう。
まだタグを外してないから、返品して、青に換えてもらおうと、お店に行って換えてもらう。ところが帰ってくると、やっぱり赤の方が良かった、とエンドレスに迷ってしまいます。気持ちの上で、なかなか決めることが出来ないのです。

何か決めても、自分は間違った選択しかしないと思っているし、過去の失敗した経験ばかりが印象に強くのこっているのです。自分の決定にことごとく自信がなくて、決められない。何かを決めるのが嫌で、こわい。小さな決断さえも出来ない。

現実的には、日常の生活は、小さい決断の連続です。たとえば、出かける前に化粧をするとき、口紅の色をどれにするかとか、化粧品はどんなのにするかとか、服は何を着ようとか、持っていくのは何が必要だっけ、何がいらないとか、いろいろと決める必要があります。その決断に、時間が掛かったり、遅れたり、変更したり、やり直したりすると、どんどん時間が足りなくなってしまいます。

その前に、起床の問題もあります。早朝に起きなければならないときなど、その約束を過大評価して、プレッシャーに感じて、気が重い。行きたくないから、起きたくない、支度したくないという逃げたい、怖い気持ちなので、動き始めるのに時間がかかる。
そして家を1回出ても、途中まで行って、水道を閉め忘れた、ガス栓を閉め忘れた、鍵を閉め忘れた、とかで戻る。
戻ってみたら、全部しまってる。なんだと思ってまた出掛け直す。
そういうことが延々と心の中で繰り返されているわけです。
だからどうしても、遅刻することが多くなります。

精神的な苦しさを抱えている人は、迷いをスパッと切り捨てていくことが、精神的に難しいのです。
摂食障害の人は、見学に行きますと言って、ドタキャンすることがよくあります。
その日になって、行けませんとかも、普通にあると思ったほうがいいくらいです。

入所を決めても入所時期を延期することもありますし、最長では入所予定の1年後になって来た人がいます。2,3日伸ばして良いですか、から始まって、1週間伸ばします、1か月伸ばします、と次々に延期していって、その後、音信不通になっていたのですが、1年後に、今から行って良いですかと言って来た人がいます。
ちなみに、その人は無事に卒業して結婚し、いまでは赤ちゃんも産んでいます。
ですから、この遅刻癖も改善します。癖ではなくて、苦しさから出た症状の一種と思っていいでしょう。