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「泥だらけの笑顔」 さとみ




5月23日

 気が付くと、ファインダー越しに泥だらけの笑顔を追っていました。
 捉えたガゼルに食らいつく空腹のハイエナよろしく、泥水になぎ倒された後の笑顔を狙って、シャッターを切りたくなりました。
 良い写真が撮れたかどうかはわかりません。
 ただ、全身、泥にまみれた姿が、私の心まで一緒に泥だらけにしていくように思いました。

 私のTシャツは、最後まで元の灰色のままでした。
 一度や二度、目的もなくダイブしたからといって、そんなに汚れるものではありませんでした。
 しかし、泥んこの笑顔を写して、気持だけは、もう、すっかり、隅々まで泥だらけでした。

 新しい一日が次々と始まってしまうことが、もう嫌になっていました。
 今日が終わっても、また明日が来ると思うと、憂鬱でした。
 一日のうちには色々なことがあって、楽しいことや嬉しいことよりも、悲しいことや辛いことの方が多いかもしれない、と思うと、嫌になってしまうからでした。
 色々感じる心が、無かったほうが楽だと思ったこともありました。
 厄介なものを持ってしまっている自分が面倒だ、とも思っていました。
 
 池下田んぼの泥んこ相撲、チャンバラ、騎馬戦、リレーで、カメラを持たせてもらいました。
 乗り気ではありませんでした。今日は、かにちゃんはビデオ撮影かもしれない、と思い、ようやく出掛けました。
 泥の水しぶきを上げ、本気の勝負で喜んで、悔しがって、泥だらけになって楽しんでいるみんなを写真に写していると、自分も泥だらけになってもいいような気がしました。
 悲しいことや辛いことがあって、ボロボロになってもいいような気がしました。
 泥だらけになるくらい、心で色んなことを感じて、泥だらけになるくらい身体を思いっきり使ったら、生きることは楽しいのかもしれない、と思いました。
 
 罰ゲームは、最下位の青チームを全員で囲って、泥水を浴びせました。
 その後、「もう少し遊んでいいです」のあゆちゃんの掛け声から、思い思いに乱戦が始まりました。
 盛男おじいちゃん、お母さん、永禮さんがいらっしゃる土手の上から、私はカメラを構えていました。
 今日の任務は終わりました。下に下りていき、みんなの様子を眺めつつ、少し迷ったけれど、傍にいたまみちゃんと手を取って、まよちゃん、ゆいちゃんに誘われて、うつ伏せにダイブ、そして、仰向けにダイブしました。
 両手はしっかり握ってくれていました。
 億劫だと思うのは初めだけで、やり始めてしまえば、もっと遊んでいたい、と思うものなのだと思いました。
 私は、いつも一歩踏み出す勇気が足りません。
 その部分では、何度も失敗したこともあり、ギリギリのところでいつも、みんなに助けてもらっていると思います。

 

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