第249回「演じること、正直になること」

 本心はどうであれ、大人として、自分に期待されている姿を演じること、社会性を持った自分であること、責任を果たそう、迷惑や心配をかけまいとすることと、自分の気持ちに正直に、ありのままの自分でいること は、矛盾することですか。
 一致できたら何も問題はないのに、1人でいるときと、人前での自分が全く違ってしまうと、消耗して、頑張れなくなってしまいます。どうバランスを取るのか、一致できるのかわかりません。

 それに付随して、1人になりたい気持ちは、健全な人間として普通ではないことで、逃げだと思います。気を遣うことに消耗する、人に求めたものが返ってこない、逆に助けてもらったら、借りを返さなければという責任とプレッシャーに潰される、自分が悪影響でしかない、人からの評価が怖い、人と比べて自分を許せなくなる。
 というような間違った気持ちが、1人に逃げたい、1人が楽だ、1人じゃないと息ができない、とまでなってしまう元ですか。

自分の答え:正しいのは、演じるべき姿であることは明らかで、解決策は、演じなければとしている自分が、地になること、自分の気持ち、拗ねている本能を納得させるしかない。でも、上手くできていません。

 
 

【お父さんの答え】
お父さん:
 僕はよく、「演じる」とか「演じたらいい」と言うね。
 僕自身はたまに1日中、しゃべり疲れてしまいました、ということはあるけど、みんなの前でいるときと、1人でいるときは、……いや、1人になることほとんどないけど、お母さんと2人になったときでも、ほとんど何も変わらないです。お客さんがくると、ちょっとしゃべりすぎたりしますけど、しゃべりすぎても後悔の気持ちとかない。

 

お母さん:
 昔はあったよね。しゃべりすぎると。

 

お父さん:
「大人として、自分に期待されている姿を演じること、社会性を持った自分であること、責任を果たそう、迷惑や心配をかけまいとすること」
 というけど、考えてみると、僕はジャーナリストだったころ、編集者に期待される仕事をやろうと思いました。
 だけど正直にいうと、そうじゃない。編集者の期待よりも僕は自分自身の期待のほうが正しいと思うので、微妙に自分の言いたいことをいかに原稿に反映できるか、自分が納得できる答えをみつけられるか。編集者に負けずに自分を原稿で通せるか。自分が自分の期待に応えられるかどうか、というのを中心に考えていましたね。
 誰かと何かをするとき、僕は人にも自分と同じレベルの作業をすることを求めてしまうので、僕は人に対してものすごくイライラする。でもそれは凄くわがままなことで、自分でも自分に実力以上のこと求めて消耗したり、人にもその人の実力以上のこと求めて、なんでできないんだよと責めたりするのが、僕の悪いとこです。

 

お母さん:
 凄い自覚。

 

お父さん:
 誰かに期待される自分の延長なんて思ってない。誰のことも好きじゃないので。
 目上の人で立派な人はいますけど、 僕はだいたいがいつも自分が中心だった気がしますね。健全な人間としていかに普通であるか、というのを自分に課していた。

 そうそう、僕は長いこと人間になりたい、と思っていた。普通になりたい、と思っていたんです。それは35歳くらいまで思ってた。35、6歳すぎたら、あれ、普通って意外とくだらないな、と思い始めた。
 僕は普通じゃないかもしれないけど、普通を通り過ぎて、変わった人間でいいや。それならそれでこのままいこう。その代わり、ちゃんと自分で自分が納得できることをきっちり、やって行こう。そう思うようになりました。

 今日のハウスミーティングで、お父さんは何で自動車メーカーではホンダが好きなんですか、と聞かれました。僕はホンダは好きでもない。トヨタがあまり好きじゃないだけ。
 誰かが、車を1台買おうと思う、とする。そのときに何を買おうかとなる。
 ちょっとお金もできた。年齢もある程度いって、人から良い車だなと言われる車を1台だけ買おうというとき、おそらくホンダは買わない。1台だけなら、トヨタのレクサスにしよう、というのが定番じゃないかな。人から良い車ですねと言われたい。だから、外車ならベンツ、BMWの大きめの奴でもいい。それだと格好がつく。
 しかし、ホンダ、マツダが高級車を出しても、2台目、3台目じゃないと買いにくいんじゃないかな。わざわざお金出して買っても、マツダ、ホンダでは高級車としてのブランド力が、少し弱い。大きい乗用車を1つの家で2台も3台も買わない。
 だから、ホンダが作る高級車は、割安で売られている、と思う。かといってホンダの中での高級車として、ホンダとしては目いっぱい力んで作るから、そんなに悪くない。自分で買うならは、レクサスの半値で買えるマツダかホンダの高級車のほうになる。

 

あゆ:
 お父さんがホンダが好きに見えるけど、それは費用対効果の性能が1番いいから。

 

お父さん:
 そう。
 考えてみたら、僕そのものがマイナーな生き方してる。今この世の中ではマイナーだよね。摂食障害の女性たちをみているといっても、これでどこかの病院の医者だとなったら、メジャーなんだろうね。
 なのはなファミリーやってる、といっても、「え? 何それ」と言われてしまうマイナーな存在そのもの。だから、いろんなことがマイナーでいいのかも。ちょうどあってる。
 世の中の人のどれだけが、なのはなのお父さんに期待してるか。一般的には、何それ、というくらいで誰も期待してない。
 一般的な期待に応えようとは、ちっとも思わないわけです。
 ただ、親御さんとか、ごく一部の人には期待されてる。その期待には全力で応えたいと願う。マイナーなものの特徴だね。ホンダも、マツダも、一部には熱心なファンがいる。
 そういえば、マツダはスカイアクティブエンジンというのを開発した。このエンジンは凄い。マツダはエンジンの得意なメーカーだね。だって、14:1とか、15:1の圧縮比で、しかも燃料はガソリン。普通は圧縮費8.5:1くらいで爆発させてる。
 それを14:1まで高圧縮している。力が強いということでしょ。じゃあ普通は何でガソリンエンジンで高圧縮しないかというと、点火前に自然爆発しちゃうから。
 そうなるとエンジンが、逆戻りしちゃう。往復運動を円運動にするクランクが上がり切る前に途中で爆発したら、エンジンとして回らない。これはまさにディーゼルエンジンの圧縮費なんだね。14:1。ディーゼルエンジンていうのは、点火プラグのところに電熱線つけておいて14:1かで圧縮と電熱線をきっかけに自然発火して回る。だから点火プラグいらない。で、ディーゼルエンジンは燃費がいい。ただちょっと音がうるさい。軽油も安い。それをガソリンでやっちゃうというのはどういうことか。
 空気だけ吸って、ぎゅっと空気だけ14:1に圧縮しちゃう。そこにピュッとガソリンを霧状にして吹き出して、バンッと爆発させる。ガソリンエンジンとディーゼルエンジンのいいとこどり。世界初の技術で、超燃費がいい。音も静か。

 これは爆発的に売れるだろうと、マツダの人もそう思ってたに違いない。ところがこのエンジンを積んだ車がちっとも売れない。
 そりゃそうだ。このエンジンはそうでないエンジンより56万円高いからね。これは値段設定の間違いだね。燃費がいいからといって。56万円の計算してみろといいたかった。元取るのに15年くらいかかる。計算ができないんだね、マツダの人。これはね、もしもほかのエンジンより5万、10万高で売ったら爆発的ヒットしたと思うね。何で安くしなかったのか、残念でしょうがない。
 あのね、そうなんですよ。これね、マツダに誰もそんな高性能のエンジンを開発してくれと期待してない。期待されてないのに作って、高い値段つけて、売れなくて、何でだろうと首をひねっている。そこも、ちょっとだけ僕に似てるかもしれないけど。
 人はそれぞれ生き方があって、つまり生き方、期待はひと通りじゃない。トヨタ的な生き方をする人もいる。世の中でおそらく期待してるだろう、親、世間はこう期待。それを汲んで演じて生きて行くのか。それを汲まないで、自分勝手に演じたい自分を演じて行くのか。その違いをもう1回考えてみると良い。
 おかしなことしてたら駄目だけど、自分がこれで良いと思ったら、それをやったらいい。自分で自分に期待しましょうよ。
 演じなければ、と演じている自分が、やがて地になることがいい。その前に、演じるって、どこを見て、誰を見て、誰のために何を演じるのか。もう1回考えてみましょうよ。
 
 
 

(2020年4月21日掲載)









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