写真:さとみ  文:たけひと

いまの季節に、なのはなファミリーとその周りで見ることのできる花たち。
それぞれの花の表情と物語を、写真と文章でお届けします。






第31回(2020年1月8日)

椿

知らなかったのだ
   君が椿だったということを
 
そう、知らなかったのだ
   ずっとずっと前から、君がすぐそばにいたことを
 
気付かずにいたとはいえ、
   何の気遣いもせず傍若無人に振る舞っていた
 
君は揺るぎのない存在感でそこにいた
   小鳥達に憩いの場を与え、
     夏の盛りに日陰を作って人を休ませ、
       それが君の仕事なのだとばかり思ってきた

紅色の花を、朝陽の中に見つけたとき
        僕は一瞬、息が止まった
   深い感慨に襲われ
       身動きできなくなった
 
TSUBAKIという生命を、
    たった1つのかけがえのない命を、
       君はこんなにも美しく生きていたのだ
 
僕はなぜか己の驕りに恥ずかしさを覚え、
     ただ祈るように、すがるように、
        いつまでもその紅色を見つめていた


〈撮影場所:なのはなファミリー玄関前〉



これまでの花





















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