写真:さとみ  文:たけひと

いまの季節に、なのはなファミリーとその周りで見ることのできる花たち。
それぞれの花の表情と物語を、写真と文章でお届けします。
(「なのはなファミリーで見られる花」は毎週月曜日に更新しています。)






第3回(2019年7月29日)

あざみ(薊)

子供の頃、その葉の棘に刺されるのが、嫌だった。
濃く、深い花の色に、窺い知れない大人の世界を感じた。
あざみ、触れてはいけない世界。
あざみ、覗き見てはいけない世界。
あざみ、子供は近寄ってはいけない花。

それから半世紀以上も過ぎてみると、
そのあざみの紫が、なんと優しく映ることか。
いまはあなたを身近に感じるのはなぜだろう。
あなたを見ると、懐かしく、
親しい感情がこみ上げてくる。

子供らしい心をなくしてしまったのか、
少し落胆しながら、花言葉を調べてみると、
「独立、報復、厳格」そして「触れないで」。
やっぱりあざみは、大人の世界を持っていたのだ。
スコットランドをその棘で守ったといわれ国花だという。
そう大人だけが持つことのできる奥行きのある強い優しさ、
野にありながら、独り立つあざみ――。



これまでの花
















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