第202回「手持ち無沙汰にさせることが怖い」

【質問】
 手持ち無沙汰にさせることが怖いことについて。
 作業でリーダーをさせてもらうとき、作業メンバーに待ち時間を与えることや、手持ち無沙汰にさせることが怖いです。時間に余裕がある作業よりも、時間に余裕がない作業、やることが埋まっている作業のほうが、何故か好きです。余裕があると作業が終わってしまうこと、やることがなくなってしまったとき、私はどうすればいいのだろうか、という目には見えない、言い表せない気持ちがあります。
 このことにとても悩んでいるというわけではないけれど、無意識下にいつも少しだけこの気持ちがあります。みんなはどうなってしまうのだろう、みんなが困ってしまう、私も困ってしまうという気持ちがあります。これはどこからくる気持ちでしょうか。

 
 

【お父さんの答え】
お父さん:

 これ、あるんですよ。仕事を頼むときにね、せっかく人に来てもらったのに、頼む仕事がないという事態。
 あるいは、一番、僕なんかがよく困っていたのが、障害の子供の訓練で、ボランティアさんを頼むと、やたらめったら集まっちゃう日と、あまり来ない日があって、やたらめったら集まってしまった日に何をしてもらったらいいんだろうと、ちょっと困ることがありました。
 そういう感じで、いつもいる社員とか、スタッフに仕事をつくるのが大変という、これは一般的にありますよ。
 だいたいですよ、考えてもみてください。
 そこにある仕事の量と、そこに動くことのできるボランティアでも労働者でも誰でもいいですけど労働力の量は一致するはずがないんです。
 仕事の量と質、求められてる質と量、それと労働力がピッタリ一致してぴったりで、予定通りに仕事が終わって、ピッタリの時間に帰る、なんていうことがこの世にあると思いますか。ないですよ。
 だいたいは人が多すぎるとか、人が足りないとかで、大苦労してようやく終わらせるか、あるいは仕事が少なすぎて人が余って遊んじゃったまま終るか、というようなことがあるんです。
 考えてみたら、人、そして仕事、その組み合わせですから、このマッチングというのは、あまりぴったりになることはない、と思ってください。
 台所なんかでも、足りない時を予想して、人を回してくださいというと、絶対に人が余る。人が余って困るのか、足りなくて困るのか、どっちで困ったほうがいいかということでもある。

 そういう意味で手持ち無沙汰にさせるのが怖いというのは、リーダーとしては良心的ですよね。
 お母さん、どうやって解決するんだっけ、こういうときって。
 お母さんはそういうの得意だよね。仕事が何もないところに、さもさも前からあったように仕事を作るのが得意なんですよ。ボランティアさんたちが「俺たちは、来る必要なかったな」と言って帰りそうなときお母さんは次から次に仕事を作る。帰らせない。
 それでいて、その仕事があまりにもつまらない取るに足りない仕事だったら、来た人ががっかりしちゃうでしょう。それが、それなりの仕事を創出するのがうまいのがお母さんなんですよ。
 お母さんの中にはきっといろいろ仕事が蓄積されている。そんなに人が余ってるんだったらこれもやらせよう、という感じで……。

 

お母さん:
 そういう言われ方したら凄くショックなんだけど、させようなんて思ってなくて……。

 

お父さん:
 わかり易く言っただけだよ。

 

お母さん:
 お母さんもこの人みたいに思ってたわけ。
 こういうふうに思ってるとき、今度、自分がボランティアだったり手伝ったり、リーダーじゃないときに、動きが違うんだよね。本当に、こういう苦労をしてきたりとか、いろいろ考えてきた人っていうのはね、例えば畑へ行って手持ち無沙汰になったとき、草を抜き始めるんだよね。だって、草抜きっていう作業があるけど、そうじゃなくても手が空いた今、こういうときに取っておいたら、すごく助かるっていうか、次の先手、先手みたいなのを考えられるというか。本当に、昔の、おじいちゃんやおばあちゃんってね、そういう動きをしてたなあって思っていて。

 それともう一つ、そういう心がけで、もしそういう風になったときにね、ただぼうっとして、「次、私の仕事はなんですか」って待ってる人よりも、自分から仕事を見つけてくれる人なら助かると思うの。
 お母さん、高校生くらいのときアルバイトへ行ったとき、日に日に時給を上げてもらったわけ。一番初めにバイトをしたお店が金物屋さんだった。お鍋から釘から、金物を売ってるわけ。年々、便利なものができてきたら炊飯ジャーまであるんだけど。とにかくそういうお店へ行ったとき、お店番で、朝のときは暇なのね。結構、お客さんが来る時間帯があって、それで、まあどのお店にも暇な時間と忙しい時間があるけど、特に、金物屋さんなんかになったら、その忙しい時と暇な時の差がすごくて――というほどでもなく、全体的に暇なのね。
 そしたらやっぱり、高校生くらいの子をまあ低賃金で店番くらいにおいておきましょうという感じで毎年雇っていたらしいんだよ。それでお母さんが、こんなに暇だったら、時給もらうの申し訳ないなと思って、それで、昔のことだから、あまり売れてないようなお鍋とか、埃かぶってるのをきれいに、朝のうちに拭こうと思って、拭きだしたの。そしたら、拭いてきれいにしたのがどんどん売れていく。
 お客さんも商品が埃かぶってたら嫌じゃない。きれいにしてきれいにレイアウトして、目につくところに置いておいたらどんどん売れるんだよ。自分も面白いし、オーナーも喜ぶし時給上がっていくし、また呼ばれるし。仕事ってこういうものなんだなと思って。
 なんか、時給の高い暇なところを選ぼうなんて、昔も今もだめだよ。本当に自分の気持ちで、謙虚に、利他心を持って行ったら、見る人は見てて、ほんとに時給を上げてくれるな、ってお母さんはそのとき思ったの。それで、働きものにならないといけないなと思ったわけよ。

 

お父さん:
 今の話を聞くと、例えばこのリーダーが「ハウスに来てください」と言って、ハウスの前でメンバーを待ってるわけです。
 10人来る。集団で。かっぽ…かっぽ…って長靴言わせながら来る。
「で? 何すんの? 今から。だから、作業って、何なのよ」
 みたいな態度で、10人いたら、「あ、すいませんちょっと、まだ準備ができてなくて、すいません」みたいになっちゃうでしょ。
 それがタッタッタッタって10人くらい来て、まだ準備ができてないようだなと思ったら、草を引きに来たんだと言う感じで、すぐに草を引き始め、声をかけられるまでなんかかんかやっていたら、「ああよかった、やることがあって」みたいに、リーダーの人は思うでしょう。
 呼ばれた人の態度、表情。それが、来てやったんだ、みたいなのか、それとも他にも用事があって来たんだけど、一応、なんかあったら声かけてねみたいな感じでやってる人の集団と、どれだけ使いやすさが違うか。

 考えてみると、今のお母さんの話しもそうでしょう。仕事って、あるような、ないようななんですよ。店番やって、お客さん来たら売ってねと言われて、ぼうっと座っていたら自分にもホコリが積もって……、いや、自分には積もらないまでも、じっとしてろと言うならじっとしてることもできるけど、ホコリを取ることもできる。自分で仕事を見つける人と、仕事を見つけない人がいる。言われるまでやらない人。同じ仕事を言われても更にちょっとプラスを加えてやる人と、なんのプラスもなくちょっとむしろマイナスしながら手を抜いてやる人がいる。その違いは大きいですよ。

 

お母さん:
 ただね、そういうプラスしてやる人のほうが少なくてね。
 言い方は悪いけど、言われたことしかしない、手を抜く人のほうが世の中、やっぱり多いんだよね。
 だから、ちょっと気を利かせただけで――これは処世術でもなんでもないんだよ、気持ちでやらないといけない、聞いたからそうするのではいけないんだけど――ちょっと考え方違っただけですごく重宝されて可愛がられるの。人間ってそういうものなの。

 

お父さん:
 やることがなくなっても、「今度、これやりませんか。私これやります」って時間までやる人と、「さあ終わったけどどうすんの? どうすんの? え? 仕事ないなら帰るよ」なんていう態度で迫られたら、ほんとにリーダー困っちゃうよね。

 

お母さん:
 だからお父さんもお母さんも、リーダーしなさいよってよく言うわけ。リーダーさんこんなに困ってるんだなというの身にしみてわかるから。

 

お父さん:
 だけど、本当に見つけようと思ったら仕事って限りなく見つかるんじゃないかという気がするんですよ。
 畑なんか、やらなきゃいけないことはいっぱいあって、それを絞って絞ってやってるわけで、せっかく畑に着いてここにこれだけいるんだから、みんなでこれやっちゃおう、石を拾っちゃおう、草も抜いちゃおう。物をちょっと整理しよう、誘引しようとか、ちょっと脇芽摘み作業ってわざわざ入れるほどじゃないけどやっちゃおう。10人いたら20の目があるわけだから、本来その仕事が終わった他に、更にもっと良い状況にしてそこをみんなで終わることができる。

 

お母さん:
 みんなが自主的に動こうと思ったら全体の動きとか、作物について共通にみんなが知ってないといけないわね。段取りをよく、やよいちゃんはやっているけど、夜に明日の作業も話し合って、ここまでこういうふうに進めたいからね、って言われてたら、みんなも心持ちが違うじゃない?
 中には本当に、そう言われたなと思って勉強してくる子がいたら、次の仕事なんですかなんて、待ってるチームじゃなくなると思うんだよ。
 だから、そんなふうにしたらものすごく、早くいいものができるんじゃないかなって思って。

 

お父さん:
 あと、そこにいた人に聞いちゃうのもいいですよね。さあ、これは終わりました。あと30分ありますけど、さあみんなで見回して次の仕事は何か、当ててみてください――というクイズにしちゃうのもいいね。「終わりました、今から30分あります。さあ今から30分このメンバーでこの地域でできる仕事、何があると思いますか! わかった人から手を挙げて」
「それ採用!」
 それでいいんじゃない?
 言われた方は、「ひっくり返って、みんなで空を見る」とかそういうのを言ってもいいんですよ。雲を見る。ひっくり返って雲を見て、一番似てる動物の雲を当てた人が一等、みたいなのでね。くま、しろくま、とかそういうのをみつける競争――。

 

お母さん:
 作業が終わったんだったら、それでも十分嬉しいよね。
 
 
 

(2019年7月30日 掲載)









第66回「自己否定について」
第67回「友達が欲しい人、そうでない人」
第68回「未来を信じる」
第69回「山を登ると」
第70回「リーダーをすると苦しくさせる」
第71回「自分から人を好きになる」
第72回「小さいころからの恐怖心」
第73回「お姉さんのような存在を」
第74回「作業に対して気持ちの落差が激しい」
第75回「大きな希望を持つとき①」
第76回「大きな希望を持つとき②」
第77回「夢について・集中力について」
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第81回「高いプライドをつくるには」
第82回「番外編:そうだ、お母さんにきいてみよう!」
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第218回「できる気がしない、と感じてしまう」
第219回「苦手なことをしている時間を苦痛に感じてしまう」

第1回から第65回までの「お父さんにきいてみよう」は、
こちらからご覧いただけます!
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