第198回「体育の授業が怖くて、さぼっていたことについて」

【質問】
 私は小中学生の頃、体育が怖くて、さぼっていました。人見知りが激しくて人と話せませんでした。それは自分の苦しさからくるものだと思ってきたのですが、摂食障害の人がみんなそうではないと思います。傷で認識力が低いからと言って、怖いことから逃げるという選択肢をとったのは、性格ですか?

 

 
【お父さんの答え】
お父さん:
 みんなはどうなんだろうね、こういう人は多いのかな。
 自分も小中学生の頃、なんとなく体育が怖かったかなという人、手を挙げてみてください。多いね、半分くらい。じゃあ全然、怖くありませんでしたよという人。少ないね。
 じゃ、もう1回聞きます。自分は小中学校の頃全然運動ができなかった、運動音痴だなと思う人は? 多いですね。
 運動音痴の人は結構多い。怖かったという人もまあまあ多いですよね。
 
 質問は、性格ですかということですが、性格じゃないと思います。
 一般論として言いますけど、5,6歳の頃に傷ついてしまった人というのは、人を怒らせたり、波乱が起きたり、ハプニングが起きたり、危険な状態が起きるのが嫌になります。そうすると、穏便に、穏便に、人を怒らせないように生きるようになります。
 それは自分に対しても、破綻がないということが最も大切になる。すると、体力も気力も全部、使い切ることはせずに、残しておきたいと思うんですね。というのは、いざ何かあったら家族を助けに行けるように、自分が逃げられるように、温存するということ。
 限界までは決して行かない。我を忘れて限界まで疲れ切って、そういう状態で自分の身に危険なことが起きたら、防げないので限界まで行かない。体力を温存する。
 こういう姿勢で運動をすると、全力疾走できないのです。全力疾走をすると体力がなくなると同時に、身体がバラバラになってしまいそうな不安があって、全力では走れないから、足が遅い。運動神経が鈍い、運動音痴っぽい動きになるというのが一般論というか、僕が言う一般論ですね。

 ただ例外があります。生まれつき俊敏な、筋肉を持った人がいるんですね。筋肉には2種類あるんですよ。瞬間的に力をぐっと出す筋肉、速筋と、長いこと力を出し続ける筋肉、遅筋とがあるんですよ。
 仮に同じ、陸上の選手でも、100メートルの選手は瞬発力が重要です。瞬発力で使う筋肉が強い人というのは100メートルが速い。じゃあ100メートル走が得意な人が42キロのフルマラソンも得意かというと逆に不得意です。なんでかというと瞬発力の強い筋肉は長いこと使い続けることが難しいから。
 長距離の人は瞬発力は弱いかもしれないけれど、長く使い続けることができる筋肉が発達している人です。
 人によって得意な筋肉の種類が違う。比較的に速筋が強い人は早い段階で、人より運動が得意だと自覚できますから、運動が好きだと感じるんじゃないでしょうか。
 基本は、体力を、なくなるまで使うのが嫌だ、だけどちょっとくらいだったら人よりも動けるから運動は好きという人と、長く持久力のある筋肉しか持ってない人、そういう違いがあります。

 だから、この人の場合どうかというと……、体育が怖くてというのは、多分、速筋が強くなかったので運動はあまり得意じゃない。それですでに5歳くらいで傷ついていたことが原因で身体を使い切るのが怖いから、同級生の子たちが汗水たらしてきゃあきゃあ走り回って、いつまでも走ってるの見てると、自分はとてもそういうのできないと感じ、嫌だなあと思っちゃうのは当然じゃないでしょうか。
 ということですよね。だから僕の分析では、怖いから逃げたとか、根本的なところでは、そういうこととはちょっと違うんじゃないかなというふうに思います。体育が怖いから苦しくなったではなく、苦しいから体育が嫌だった、ということですね。

 

 

(2019年7月16日掲載)









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第1回から第65回までの「お父さんにきいてみよう」は、
こちらからご覧いただけます!
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