第197回「人をもっと理解したいということについて」

【質問】
人をもっと理解したいということについて

 私が人に対して「どうしてなんだろう」と不愉快な気持ちになってしまうのは、その人のことを理解できていないからだと思いました。
 その人のことをまるごと理解できていれば、自分には理解できない行動も(こういうバックグラウンドがあるから、とか、こういうキャラクターだから)と自ずと納得できて、フラストレーションもたまらないと思いました。

 私は許容度や幅が狭く、こうでありたいと思う幅から外れる人を見ると怒りがわくのかもしれないです。
 みんなのことを深く理解したいです。けど、私にはその力が乏しいように思えます。

 ○理解するために、どういうことを心がければいいでしょうか?

 ★自分なりの答え
 1、本を沢山読んでいろんな登場人物のキャラクター、気持ちを知る。
 (しかし、私には本を読む時間がないと思いました。どうしたらいいでしょうか。)

 2、目の前の人のすべてを吸収し知り尽くす、という気持ちで人と接する。
 良いところも悪いところも外れてもいいから片っ端から言葉で評価していく。

 ○お父さんのどんな人でも理解できてしまう、寄り添えてしまう力の一つに多面的さがあるからだと思います。
 お父さんのその多面的さは後天的に得たものですか?

 

 

【お父さんの答え】
お父さん:
 なるほどね、これね、人をもっと理解したい、これは理解できれば腹が立たなくなるというのは本当のことですね。その人のキャラクターを知るとか、バックグラウンドを知ると、すごくその行動が理解できるというふうになって、怒りがわかなくなります。
 ただし、ちょっとこの質問と答えに抜け落ちていることがある。

 その説明をする前に、自分も同じような感じで、自分の思い通りに動いてくれないと、どうしてなのよと不愉快な気持ちになったり怒りたくなることがあるかもしれない、という人は手を挙げてください。ああ、結構多いですね。なるほどね。
 思うように動いてくれない人に対して、不愉快になったり怒ったりするということは、ある面からするといいことなんです。
 どうしてかというと、こういう発想というのはどちらかというとアスペルガー的な要素のある人の発想なんです。正しく有りたいと思う人の発想。人間味が強い場合に出てくる気持ちで、公平でありたいとか、平等でありたいとか、正義心、正しさというのをかなり強く持っている人は、ほかの人にまで、どうして正しく動いてくれないの、どうして正しくやらないの、どうして、っていうそういう気持ちが凄く強く働くんです。
 アスペルガー的要素の強い人は、正しくありたいという人間味がとても強いのですが、それは本来、とてもいいことのはずです。
 それに対して、アスペルガー的な要素があまりない人というのは、そういうことをあまり人に求めることはありません。まあ人それぞれだからね、とか、まあどうぞ好きにやってればいいんじゃないの、私も好きにやらせてもらうけど――というふうになる。そういうスタンスでいるので、他の人が間違っていてもそれほど腹も立たないし、不愉快にもならないし、腹も立たない。怒りの気持ちは出てこない。

 良かれという気持ちが強いと、もちろん自分もよく有りたいけど人だってよく有りたいでしょ、だとしたらこれしかないんじゃないの? それなのにどうしてやらないの? と、自分の正しさとか平等さ公平さを、自分の知る限り広く通したいという願望が強く出すぎてしまう、それが自分の不満の素になってしまいます。
 道徳心とか、モラルも含めて、みんなこうであってほしい、正しくあってほしいという気持ちが、他の人に及んでしまうわけです。
 では、そういう不愉快になったり怒ったりする気持ちを出さないようにするには、どうしたらいいのか。
 簡単に言えば、人が思うような正しさを発揮してないのを見て、もしかしてそれぞれ事情があるのかな、というふうに思えればいいわけです。あるいは、ひょっとしたら自分が知らないだけで、この人にはこの人の正義があるのかな、と思えればいい。
 自分の正義を振りかざしがちな気持ちをちょっと引っ込めると、わりかし許せるんじゃないかな、と思うんですよね。
 この質問者が考えた自分なりの対策としては、「本をたくさん読んで、いろんなキャラクターを知る」これ、いいです。だけど、やっぱり時間がかかりますよね、何年も。それから、目の前の人のすべてを吸収し知り尽くすという気持ち、これも大事だと思いますけど、簡単に言うとその人を好きになるということですよね。好きになるとわりかし何でも許せます。腹を立たなくするには相手を好きになる。吸収するというよりも、好きになってしまう。そういう気持ちを持つということがいいでしょう。

 お父さんの多面的なところは後天的なものかということですが、まさに後天的なものです。僕は特に小学校5,6年生までは、怒りの塊でしたね。学校に行って、同級生とぶつかることが多かった。
 なんで正義が通らないのかって、怒りに燃えていた。この人の気持ちが凄くよくわかります。怒りというのは、正義心から来るもので、その正義心はあまり持ちすぎないほうがいいんじゃないかなということ。
 そういう、正しくあってほしいという気持ちが過ぎるとストレスになる、だけど、どうでもいいよとなっちゃうと野放図になってしまう。
 いつだってそうですよね。情に棹させば流される。理を通せば角が立つ。角が立たない程度に理を通して、情に流されない程度に流す。とかくこの世は難しいって何かの小説の冒頭にありますけどね。そのせめぎあいはずっと続くような感じがします。
 けれど、ひとまずは、自分の正義心にちょっとだけブレーキを掛けて、なにか事情があるのかなと思いつつ、一応自分の正義を言ってみる。そういうスタンスでいってみてはどうでしょうか。
 この人がこういう気持ちでいる限り、年をとるほど、特に小説を精力的に読んでも読まなくても、だんだん人のことを理解できる気持ちも増えていくし、経験も増えていくので、本当にいろんな人に寄り添える人に、この人はなっていくんだろうなと僕は思います。

 

 

(2019年7月12日掲載)









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第1回から第65回までの「お父さんにきいてみよう」は、
こちらからご覧いただけます!
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