第181回「自分に疑心暗鬼になって、不安に陥ってしまうのはなぜ?」

【質問】
 いつも自分に疑心暗鬼になって不安に陥ってしまうのはどうしてですか?

 

 

【答え】
お父さん:
 この質問の人は、今の僕の心を見透かして質問してきてますか? 
 いつも自分に対して疑心暗鬼になって、不安になり、打ちのめされそうになっているのを、お母さんに支えてもらいながらようやく古吉野に向かっている日々……。僕は、そんな毎日を送っておりますがね。
 あのね、僕、思うんですけど、「山高ければ谷深し」という言葉ありますよね。
 疑心暗鬼になって不安になったりするのは、その反対に自信があったり強い確信があったり、強い意欲があったり、必ずプラスの側の気持ちが強いんですね。
 で、そのプラスの側の気持ちというのは割と自分で心地が良いので見過ごしちゃうんですけど、マイナスになったとき、「どうして私はこうなんだ」って落ちるだけなんです。
 自信過剰になって、やる気が行き過ぎているときは、どうして私はこうなんだって思わないんですね。つまずいたときだけ、どうして私は、って思う。
 だからものすごく深いどん底まで行かないようにするには、その前の高い山を登らなければいいという感じがするんですよ。だから、これをやりたいとか、あれをやりたい、どうしてもこれをしたいというのを持ちすぎてしまうと、失敗したとき残念感や、自信喪失が大きい。
 そこで、適切な夢、適切なプランを適切な強さで持っていくと、心は大波で揺れないので、やる気と自信と根気と集中力、そういうのが持続するんじゃないのかな。

 比較的にやる気のない人は、何でも淡々とやっていますよね。やる気のある人は、ある時はグワーッとやっているかと思うと、そのうち精神的に疲れ果てて暗くなったりしている。だから、ある程度のやる気で走り続けるというのがいいんじゃないかという気がするんですね。
 その点、僕もお母さんも、割と走りすぎてしまうほうなんですね、気持ちが行き過ぎて。
 一ついいことがあると、おまけを付けて3つも4つも喜び過ぎちゃうんですね。だけど1は1なのであとで現実に立ち返ると、ケチョンとなっちゃうんです。だから僕とお母さんなんか絶対に宝くじを買えないんですよ。1億円の宝くじを100円で買ったとすると――100円で買えるか知りませんけどね――、もう1億円あたったような気になっちゃうんですね。使い道まできっちり決めて抽選日が来たら外れていますから、本当にがっかりして、1億円損した気になっちゃう。100円しか使ってないのにガッカリ度は1億円分です。それが見えてるので、最初から宝くじは買わないんです。そんなふうにやる気は出さない、適度にしか出さない。そう思ってもやる気は出ちゃうし、夢は見ちゃうし、走り過ぎちゃうし、ふたりしてブレーキかけあって戒めあって落ちないようにしている。
 ……なんか納得していないような顔していますね。
 
 
やよい:
 お父さんはいつもやる気をすごく出しているように見えて、やる気をセーブすると聞いても、お父さんがそうしてるように見えない。
 
 
お父さん:
 お母さん。僕、やる気を出してるかもしれませんけど、僕がどのくらいずっこけてるか、やよいは知らないようですけど、どうですお母さんからみて、僕はずっこけてませんか。
 
 
お母さん:
 本当のことを言っていいのでしょうか。
 
 
お父さん:
 いいですよ。どうなの、ずっこけてるよね、相当にね。
 
 
お母さん:
 相当に、ね。
 
 
お父さん:
 あのね、多分みんなにリアルなお父さんの姿を見せたらがっかりする、……多分がっかりするくらい、落ち込んでいるんじゃないか、打ちひしがれているんじゃないかと思いますね。
 ほんとに僕は、人間ができていなくてね、小心者で、バカで、お調子者で、浅はかで、考えが浅くて、っていつも本当に痛い思いをしながら思っています、本当にね。だから少し謙虚になったななんて思ったところで、すぐにそうだ僕って謙虚になれる立派な人間だってすぐ思い上がって、ズコッ、て謙虚になれてなかった……そんなことを繰り返しているんですよね。
 
 
 どうなんでしょう、適度な反省の仕方があっていいのかなという感じがするんですけど、僕は反省するときはもう全てを失っていいということをいつも思うんですね。
 そうすると、わりと反省も簡単になって、すべてを失う心の準備をいつもしておく、そんな感じです。だから自分に自信がなくて自分に疑心暗鬼って、それは自分はダメだろう、何を失ってもいいくらいダメだろうって言うのは、何度も言い聞かせてきているので、そういう意味じゃ、あまりずっこけたように見えないかもしれませんけど、心の中はすごい華やかな、王宮か御殿みたいな、そうベルサイユ宮殿にいるような心境と、橋の下のダンボール小屋にいる心境を、行ったり来たりしています。ホームレスとベルサイユ宮殿を行ったり来たり、しょっちゅうしています。
 ベルサイユ宮殿を目指しているけど、橋の下のダンボールでもいいっていうね。そういう人間ですけど、それはあまり真似しないほうがいいんじゃないか。
 だから僕に近寄ってくると、いつか共倒れになって橋の下でダンボールの中で寝ることになると思いますよ。ね、お母さん。
 
 
お母さん:
 大丈夫。
 
 
お父さん:
 大丈夫ですかお母さん。覚悟はできていますか。
 
 
お母さん:
 はい。

 

 

(2019年5月14日掲載)









第66回「自己否定について」
第67回「友達が欲しい人、そうでない人」
第68回「未来を信じる」
第69回「山を登ると」
第70回「リーダーをすると苦しくさせる」
第71回「自分から人を好きになる」
第72回「小さいころからの恐怖心」
第73回「お姉さんのような存在を」
第74回「作業に対して気持ちの落差が激しい」
第75回「大きな希望を持つとき①」
第76回「大きな希望を持つとき②」
第77回「夢について・集中力について」
第78回「やるべきことをできていなくて苦しい」
第79回「やるべきことをできていなくて苦しい②」
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第81回「高いプライドをつくるには」
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第83回「相談、確認が多いことについて」
第84回「自信を持つ」
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第88回「見張られているような不安」
第89回「どうして人間だけに気持ちが必要なのか」
第90回「休日になるとやる気がなくなってしまう」
第91回「低気圧」
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第103回「会話が理解できない・生きる意味」
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第108回「仕事への情熱と、興味があること」
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第195回「次のミーティングは、いつですか?」
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第207回「調理されて食べられる魚はかわいそう?」
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第218回「できる気がしない、と感じてしまう」
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第220回「握力について」
第221回「喜び合うための全力」

第1回から第65回までの「お父さんにきいてみよう」は、
こちらからご覧いただけます!
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