第157回「テンション」

【質問】
 テンションについて
 テンションが高い人、低い人がいるのはどうしてですか。
 明るいとか、暗いとかとは別に、テンションが人それぞれ違うと思いました。
 そして、それは高いほうがいい、低いほうがいいというよりは、自分と近いと心地が良いのかなと私は感じました。
 お父さんは「テンション」についてどう思われますか。
 

 
 
【答え】
お父さん:
 テンション。日本語にすると「緊張」。
 音楽用語で「テンションコード」というと不協和音ですよね。ちょっと緊張する音。だけどなにか新鮮な響きがある。
 ――テンション。テンションの高い人がいたり、低い人がいたりすると思いますね。波長みたいなものでしょうね。
 今ちょっと思いついたのはね、何か気持ちが落ちてしまってちょっと掬い上げなければならないなという人と話をするときには、気がついてみるといつの間にか僕は黙って、あんまり話を聞くでもなく、ただ目の前で座っているだけだったりする。あれこれと、聞いたりはしない。
 黙ってじっとその人の前に座って、一緒の同じ空間を共有してるとね、だんだん心臓の動き、速さがその人と同じになってくる。心臓の速さが同じになったら、ちょっと話しやすいかなという感じがしますね。同じになるまではあまり喋っても意味がない。何を言っても届かないのかなという感じがしますよね。
 あの……そういうふうに、テンションが近いとすごく人は安心するし、喋りやすいと思いますね。
 

 テンションが高い人と低い人。明るく前向きで活動的な人はどうしてもテンション高くなると思います。寝て起きたばかりとか、眠くなってくるとテンションは低くなります。自分が何か失敗をしたくないなとか、目立ちたくないなとか、人から変な人だと思われたくないなとなると、どうしても目立たないようにするのでテンションが低くなると思うんですよ。
 やっぱり活発に動く人、一生懸命やる人、なにか成功させたい人――畑でも何でもね――そういう人はテンションが高くなる。
 一般論として守りに入っている人はテンションが低くて、もちろん気持ちの落ちてる人はテンションが低くて、積極的に攻めに出てる人はテンションが高い。だからテンションが高い人、低い人いるけど、それは今、ワクワクして楽しくて攻めの気持ちで出たい人と、守りたくてちょっとさみしくて低い人、そういうようなところがある。
 

 で、僕、思ったんですけど、前、僕の知り合いがたまに、たまになんですけど定期的に電話をくれてたことがあるんですね。僕も、気分の上がってるときもあれば気分が下がってるときもありますけど、その人とずっと定期的に何度かやり取りをしてるうちに――実はその人は僕より年上だったんですけど、「小野瀬くんと話してるといつも元気になるよ」って言われてね。僕もその人と喋ってると、自分もなんか暗かったのにテンション低かったのに、最後の頃は、いつの間にかテンション高く喋ってるんだね。やる気のない人とかテンションの低い人と喋ってるとどうしても、そんなんじゃだめですよ、ちゃんとやろうよっていう話しになってしまう。
 その人は僕をビタミン剤か何かと思ってたみたいで、元気になりたいときは、僕に電話してくれてたみたいで。
 不思議に自分は電話で喋ったりなんかすると最後は、わっと気持ちが上がっちゃうという、そんな感じがします。

 なんていうのかな、よく、なのはなでは「前向きなところにしか答えがない」と言いますけど、喋って喋って喋って喋り尽くすと結局、前向きなところに答えが行くんですよね。
 テンションが低い人というのは割とそういう、前向きになりきれてないというところだと思いますけど、全部、テンションの低いことを吐き出したら、最後は前向きになるんじゃないか、ある程度はテンション高くなるんじゃないか、そんなふうに思いますね。
 

 僕はテンションは基本的には高いほうがいいと思うんですけど、使い分ける必要があると時々思うんですね。というのは、夜寝る前ですよね。子供を育てたらわかりますけど、寝る前に、子供に楽しいゲームとか楽しいことをさせたり、動き回らせたりしたら、寝ないんですよ。
 寝ても、おねしょしたり、夜泣きしたりになっちゃうんですね。だから寝る前は、ほんとに音は静かに、声も静かに、電気も暗めにゆっくりして眠りの方に近づける。そうやってテンションを落としてから寝かせるとぐっすり寝ます。
 それは自分にも言えるんですよね。寝る前にたまたま何かの長いメールが来て、もし感情が昂ぶった状態でカチャカチャカチャキーボードを叩いたとして……よし、さあ寝ようと言っても、“バチッ”と目が冴えて眠れないんですよ。寝るときにやっぱり、自分自身のテンションを下げていかないと眠れない。
 ちょっとそういうところがありますよね。
 バレーボールの選手とかボクサーとかは試合前になると、ほっぺたを叩いて、身体を叩いて、身体を緊張させて出ていく、試合に出ていくってあるでしょ。そういうふうにある程度は使い分け、わざと低くしたり、わざと上げたりする、それも考えたほうがいいかもしれませんね。
 自分で意識して、テンションを上げたり、下げたりする、そうやって生活のリズムを作っていくと、過ごしやすかったり、他の人とも関係が取りやすくなるでしょう。

 

 

(2019年4月19日掲載)









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第1回から第65回までの「お父さんにきいてみよう」は、
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