【質問】
 なのはなに来る前は、毎日、寝汗をかいていました。けれど、なのはなに来てからはまだ一度も寝汗をかいていません。
 このことに、最近、気が付きました。きっと自律神経が整ってきたのだろうと思っています。自分で考えたこととして、毎日三食、しっかりと栄養のある食事をとっていること、程よく体を動かしていること。早寝早起きなどの規則正しい生活習慣、また、精神的にも少し落ち着いてきたということが、良い影響を及ぼしたのだろうと思いました。
 このことについてお父さんはどう思われますか。上記のようなことで、自律神経は整っていくのでしょうか。また他にもなにか考えられることがあれば教えてください。
 

 

 
【答え】
お父さん:
 寝汗をかかなくなった一番の理由は、ここに書いていないことだと思いますね。
 寝汗をかいていた頃にあった、一番強いストレスがなのはなファミリーに来てからは無いということです。強いストレスで、自律神経が乱れるんですね。
 で、この人の場合の強いストレスは、ここに来ている人の殆どに共通することですが、家族だと思います。家族と顔を合わせないという環境なので、寝汗をかかない。
 つまり、今までストレスを受けていた人と、当面、会わなくていい。ストレスを感じる人から遠ざかっている、というほっとした気持ちがあるのだと思います。

 それから、学校に行かなくてはいけないとか、仕事に行かなくてはいけないとか、何かしなくてはいけないという、10代の人だったら学校、20代の人だったら仕事――、ノルマがありますよね。
 仮に20代の人が働きに行かない、仕事もバイトも決まっていないで家に毎日いたら、「あんた何してるの、いい加減、働いてよ」とか、「いつまでも何してるの」そういう目で見られたり、そう思われてるんだろうなあって感じたら、それはすごいストレスですよね。
 しかも、自分の夢の見通しが立たない。自立する目処が立たない。自分の行く末がわからない。そういう状態で症状が出ていたら、ストレス無く過ごせる人のほうが少ないですよね。
 なのはなファミリーにいると、当面は学校に行かないし、仕事にも出ないで、みんなと活動をすることになっている。
 しかも、ここに居て、みんなと活動していれば、確実に自立できると思える安心感があります。学校に行きなさい、仕事をしなさい、と迫られるストレスがないだけでなく、身体も気持ちも休めて、なんとなくここで、言われたことをみんなと一緒にやっていれば、いずれ自立できるという安心感が、非常に大きいだろうと思うんですね。
 症状が出ている人にとっては、こういう安心感がある環境というのは、ありそうでないんです。

 例えば入院したとしても、身体が良くなったら退院しなきゃならない。気持ちは関係なく体重が戻って症状がなくなるともう帰らなければならない。治ったことになったらまずいぞと思うから、治ってないふりをしなきゃならない、治ってませんよ、と訴えなきゃならない。
 調子が良ければ、調子が良いのに入院してるのは無駄だ、となってしまう。
 体調がよくて症状がないと、元のストレス環境に戻るということだから、治りたいけど治りたくない、矛盾する気持で入院してることになるわけです。
 ここは1年半、出られませんよ、と言われたますから、覚悟して来る。騒いでも騒がなくても、何してもしなくても、当面はここにいるとなると、これまでのストレスからは開放されるのです。
 それくらい、ストレスがあるなかで過ごしてきましたよ、ということなんですよね。

 もし決まった時間に起きて、寝て、規則正しいことをすれば症状がなくなるのであれば、日本全国どこでも簡単に治ってしまいます。
 適度な運動をしていれば自律神経が治っちゃうというのでも、同じことです。
 一番見落としがちなのは、一番かわいがってくれていて、本人も大好きなはずの家族が、いつのまにか知らず知らず、お互いの大きなストレスになっている、そういうことが本当にありますよ、と心に留めておいたほうが良いかもしれませんね。

 

 

(2019年2月8日掲載)









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第211回「期待について その②」
第212回「アウトプットで生きる」
第213回「キャパシティを大きくしたい」
第214回「コミュニケーション」
第215回「秋が寂しい」
第216回「我欲と、自分を大切にすることの違い」
第217回「声を前に出して歌うには」
第218回「できる気がしない、と感じてしまう」
第219回「苦手なことをしている時間を苦痛に感じてしまう」
第220回「握力について」
第221回「喜び合うための全力」

第1回から第65回までの「お父さんにきいてみよう」は、
こちらからご覧いただけます!
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