第147回「罰ゲームの答えとユーモア」

【質問】
 先日のセブンブリッジ大会の罰ゲームで、面接試験がありましたが、それに答えられず沈黙になってしまうのは社会性がないからですか。
 私は、答えを考えた時、頭の中、心の中が空っぽで、自分の中に答え(言葉、気持ち)がありませんでした。
 以前、同じように答えに詰まったことがあり、お父さんに、社会性を身につけようとしたら身につけられるか質問しました。お父さんは、それは身につくよ、と言ってくれましたが、私はその時と変わることができていません。このまま何となく過ごしていたら、一生身につけられないと思いました。
 どうやって身につけていけますか。

 (自分の答え)
 自分は、気持ちを動かすこと、言葉にすること、人に伝えること、役を演じることができていないと感じます。
 具体的に、語尾まで明確に言葉にして、人に伝える。
 演じるイメージを言葉にして、意識する。

 

 

【答え】
お父さん:
 社会性が育っていないということで、どうしたら社会性が身につくんでしょうかという質問ですね。先日、まあ罰ゲームでしたけど、ある会社の面接試験、入社するための面接試験に行ったと仮定して、いろいろ質問さてもらいました。その時、言葉に詰まってしまったということですね。
 で、これね、んーと、答えとしては、ユーモアを持つ、遊び心を持つ、っていうのを意識したらいいのかなと思いますね。
 まあ、この時はゲームでした。
 実際の入社の面接試験じゃないです。
 だからということでもないんですが、わざと面白い答えを言うという手があるんです。何かを聞かれて、答えようとして何も正しい答えが思いつかないじゃなくて、まあ笑かす答えをしようと考えるわけです。
 ですから、まったく質問の答えになってなくても良いわけですよね。なんか面白いことをちょっと一言、言ってみる、そういうセンスがあったら、それでもう良いんだと思うんですね。
 実はそれが社会性なんですよ。
 なにか聞かれる。それに答えなきゃいけない、なんて答えたらいいんだ、正解はなんなんだ、っていうことだけを考えるというふうに狭くなる必要がない。ゲームなんですよ。罰ゲームですからね。正解なんかないんですよ。
 どちらかと言うと面白い答えを言うっていうことで、良いんですけど。
 そういうふうに、とっさに、面白い答えを言おうというのは思いつかないというところが、ちょっと社会性がなくて、一本調子で生きているということなんだと思うんですね。

 で、普段でも、作業をやるときでもそうですけど、その作業をちゃんとやるのはもちろんだけど、なにか心にゆとりを持って、ちょっとみんなをリラックスさせるためにちょっと冗談を言う、笑わせることを言うとかも、必要なときがあります。
 あるいは自分でも、同じ作業をやるのでも、試しにちょっと、無駄な作業かもしれないけど遊びで、新しい、トライアルというか、何かちょっとやってみる、みたいなね。そういう遊び心を入れながら作業をする、そういうことが大事なんじゃないのかなというふうに思うんです。

 で、面接試験を罰ゲームでやりましたけど、わりかしみんな、普通にまっとうに答えちゃってるなあ、というふうに思いましたね。ユーモアが足りない感じ。
 まっとうにちゃんとした答えって逆に面白くないですよね。

「あなたに、1日、世界中どこでも日本中どこでも、行っていい日ができたとしたら」という質問がありました。
「1日だけ、好きなところへ行って好きなことをやって、良いと言われたら、あなたはどこで何をしますか?」
 この質問は、難しいですよ。
 何かかっこいいことを答えたいなとか、自分の真面目さ、自分の中身のあるところが見える、なんか浮き立つような答えをしたいなって思うでしょうけど、そこで、
「北極に行ってペンギンと遊びたい」
 って咄嗟に言った、さくらの答えは、秀逸ですよね。ペンギンと遊んで何になるんだよ、この寒い中でなんで北極に行くんだよ、って思うんですけど、実は何でも良いわけで、楽しい答えだった。こういうのって、何かためになるような答えってありますかね。
 もし、中学生か、高校生だったら、
「いや、私はなのはなのリビングで、一日勉強しているのが一番、楽しいです」
 とか、そういうの答えても面白いですよね。なんか他にないのかよって、笑えますね。
 あるいは、
「なのはなの白菜畑に行って、一日収穫をしています」
 とかね。それでも良いわけですよ。え? いつもと同じことやるのっていう意外性。うん。でも、難しいですよ、本当にね。
 普段から、自分にもし最高のチャンスがあったらとか、自分にとって最高に楽しいことや、最高に力を発揮できることは何か、って考えるのはすごく面白いことだし、大事なことなのかないうこともあって、この設問も考えました。

 で、ウィンターコンサートで、神様ポストを作りましたよね。
 何か願い事を入れてください、神様へのお願いごと、ってやりましたが、みんなだったら何を入れますか。
 神様が叶えてくれるんですから、何でも叶うんです。
 じゃあ、とすぐに手紙を書ける人はあんまりいないんじゃないかと思うんですよね。
 あんまり、いない。
 そういう神頼みじゃなくて、同じ神頼みではあるんだけど、何か自分と直接つながりがあるような願いを持って、祈りを持って生きるということを、普段からしていたら、すっとそれが出てくるわけですよね。

 ちょっと考えてみてよ。
 普段から、そういう願いを持って生きていたら、普段の生活の行動の一つひとつが、自分の将来に、未来につながるような行動になっていってるはずなのね。自然に自分の願いに一つひとつ自分で近づけていく。何の願いもない人は何の願いもない、その日暮らしになってしまう、将来に結びつかない行動になってしまう。普段からプランを持つことが大事なんです。漠然としていてもいいから夢を持つということがすごく大事なんですね。
 今回のコンサートでもありましたよね。理想を持ち、理想を描く力。それから、その理想に近づくために一歩行動に踏み出す勇気を持つ力。それを実現するために知恵を使う力。それが大事です。
 つまり夢がない、理想がないことには始まらないんですよね。普段から理想を持っておく、夢を持っておく。なおかつ、いざ何か聞かれたら、ゆとりを持ったユーモアでかわすことができる。そういうことが社会性なんじゃないかなという感じが僕はしますよね。

 で、ただ、民族の違いというのを感じますね。
 前、よくイギリス人に来てもらってイギリス人と話す機会が、年4回くらいずっとあったんですけどね。ハートピーの訓練のために、イギリス人のセラピストを呼んでいましたね。
 もう何年も前ですけど、日本と韓国でワールドカップか何かを開催したことがありました。そしたら美作に、スロヴェニアの国の人達が、練習の合宿で来て、泊まっていたんですね。それで、たまたまそこを通りかかって、そのイギリス人が、「何だこの人達は」って言うから、「ワールドカップの、スロヴェニアという国の人達なんですよ」と言って――スロヴェニアって、マイナーだよね、国としてはね。だから、
「スロヴェニアって僕はどこにあるかよくわからない、マイナーな国だけどね」
 って僕が言ったら、そのイギリス人が、
「ああ、日本もどこにあるかわからないくらいマイナーな国だよな」
 って。言われて、思わず笑ってしまいましたけどね。本当にイギリス人は、ユーモアがあるなって思ってね。
 その時ちょっと、スロヴェニアをバカにしちゃいけないなと反省しましたけどね。
 その時、もし真顔でそのイギリス人が、「お前、スロヴェニアだって1つの国だ、軽蔑しちゃいかんよ」とか言ってきたら角が立つけど、日本と同じくらいマイナーかもな、って言われたらぎゃふんとなって、笑えるよね。
 この質問の人も、真正面からだけ考えないでユーモアを身につけるといいでしょう。それが幅を持って考えることにつながります。違う道、違う答え、第2、第3の答えというのを常に考えてる、それが役に立たない答えであっても、第2第3のユーモアを考えることで、それが自分の幅になり、社会性になる。そういうふうに考えたらどうでしょうか。

 

 

(2019年1月11日掲載)









第66回「自己否定について」
第67回「友達が欲しい人、そうでない人」
第68回「未来を信じる」
第69回「山を登ると」
第70回「リーダーをすると苦しくさせる」
第71回「自分から人を好きになる」
第72回「小さいころからの恐怖心」
第73回「お姉さんのような存在を」
第74回「作業に対して気持ちの落差が激しい」
第75回「大きな希望を持つとき①」
第76回「大きな希望を持つとき②」
第77回「夢について・集中力について」
第78回「やるべきことをできていなくて苦しい」
第79回「やるべきことをできていなくて苦しい②」
第80回「真面目さは何のために」
第81回「高いプライドをつくるには」
第82回「番外編:そうだ、お母さんにきいてみよう!」
第83回「相談、確認が多いことについて」
第84回「自信を持つ」
第85回「間の良さ、間の悪さ」
第86回「過去を美化してしまう」
第87回「統合力を高めるには」
第88回「見張られているような不安」
第89回「どうして人間だけに気持ちが必要なのか」
第90回「休日になるとやる気がなくなってしまう」
第91回「低気圧」
第92回「どうして動物を飼うの?」
第93回「自分を褒める話をするには」
第94回「眠れない」
第95回「ふいに恥ずかしくなる」
第96回「躾について」
第97回「壁をなくしてオープンになるには」
第98回「自分がオーラのある人になるには」
第99回「私のストレスは何?」
第100回「社会性を身につける」
第101回「依存を切り離す期間は? その後はどう変わる?」
第102回「依存を切り離すことについて②」
第103回「会話が理解できない・生きる意味」
第104回「何者にもなれないのでは、という不安」
第105回「一緒に長時間いられない」
第106回「人の気持ちを汲めない」
第107回「リーダーとしてちゃんと動くには」
第108回「仕事への情熱と、興味があること」
第109回「日々の習慣を持つ」
第110回「自分のアスペルガー的な要素について」
第111回「外見について」
第112回「芸術、情緒、愛情 心の深さ」
第113回「なぜ風俗業は禁止にされないのか」
第114回「生き難さを抱えていなかったら、どんな将来の夢を」
第115回「健全な家庭なら自我は育つのか」
第116回「自我を育てる」
第117回「説明が理解できない」
第118回「好きな花①」
第119回「好きな花②」
第120回「血を連想させる単語を聞くと」
第121回「社会性と、基本的な姿勢」
第122回「深い関係をとって生きる」
第123回「ノルマ感、義務感が強い」
第124回「野菜の収穫基準がわからなくなる」
第125回「自分を楽しませること、幸せに過ごさせることが難しい」
第126回「向上心を持てないこと」
第127回「アーティスティックな心」
第128回「野性味を取り戻す」
第129回「個人プレイからチームプレイへ」
第130回「すべてのことを高いレベルでやりたい」
第131回「なぜ、痩せているほうが良いと思われるのですか?」
第132回「予定が変わると、気持ちがもやもやする」
第133回「楽観主義者と悲観主義者の境界線」
第134回「上品に、笑顔で、美しく」
第135回「続『上品に、笑顔で、美しく』」
第136回「嘘をつけない」
第137回「お父さんが怖い 前編」
第138回「お父さんが怖い 後編」
第139回「見事やで」
第140回「頼まれごとが不安・時間に遅れる①」
第141回「頼まれごとが不安・時間に遅れる②」
第142回「頼まれごとが不安・時間に遅れる③」
第143回「大きな声を出すこと」
第144回「時間の使い方」
第145回「お腹がすく」
第146回「本を読む時、第三者の視点になってしまう」
第147回「罰ゲームの答えとユーモア」
第148回「アイデアが出ないこと」
第149回「気持ちと身体の助走」
第150回「花や動物を可愛いと思えない」
第151回「美味しいセロリ」
第152回「尊敬している人といると、あがってしまう」
第153回「考え事がやめられない」
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第155回「寝汗をかかなくなった」
第156回「時間の不安について」
第157回「楽器を練習したい、本を読みたい」
第158回「疲れを認めたくない」
第159回「アトピーと蕁麻疹」
第160回「はっきりした人になりたい」
第161回「会話と、興味の深さについて」
第162回「思春期の不安定」
第163回「潔癖症について」
第164回「自尊心」
第165回「自分の身体のサイズ感をとらえるのが苦手」
第166回「兄弟を心配する気持ち」
第167回「自分の声への違和感」
第168回「野菜の調子が悪いと、自己否定してしまう」
第169回「好きな気持ちと、誤解をされることへの不安について」
第170回「トイレが近いことについて」
第171回「競争意識について①」
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第177回「よいお母さんになる10か条」
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第181回「自分に疑心暗鬼になって、不安に陥ってしまうのはなぜ」
第182回「有志の募集に手を挙げづらい」
第183回「緻密に」
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第186回「気持ちの切り替えが、うまくできない」
第187回「米ぬかぼかし作り」
第188回「評価すること」
第189回「堂々とした人に怯えてしまう ①」
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第191回「耳が良くないこと」
第192回「限界」
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第195回「次のミーティングは、いつですか?」
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第207回「調理されて食べられる魚はかわいそう?」
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第211回「期待について その②」
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第215回「秋が寂しい」
第216回「我欲と、自分を大切にすることの違い」
第217回「声を前に出して歌うには」
第218回「できる気がしない、と感じてしまう」
第219回「苦手なことをしている時間を苦痛に感じてしまう」
第220回「握力について」
第221回「喜び合うための全力」

第1回から第65回までの「お父さんにきいてみよう」は、
こちらからご覧いただけます!
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