第101回「依存を切り離す期間は? その後はどう変わる?」

【質問】
 依存心について
 
□質問1
 依存を切り離すには、どのくらいの時間がかかるのですか?
 
・自分のこたえ
 人それぞれ。期間というよりも、考え方が変わることができたらできること。
 

 

お父さん:
 依存を切り離す期間は、1か月です。
 もっとわかりやすく言うと、タバコの禁煙を考えてみてください。
 この中で、過去にタバコを吸っていた人、手を挙げてみて。ああそんなに多くないな。
 タバコって、みんなが知っているように依存性が高いです。
 僕は、禁煙がすごく得意だったんですよ。何回でも禁煙できる。しょっちゅう禁煙して、いつも成功してました。ということは、いつの間にか吸ってるんですよ。禁煙して1週間くらいしたら、いつの間にか吸っている。うわあ吸ってるなと思って、禁煙しようと思って1週間くらいするとまた吸っている。
 禁煙を決めた日は、決心がピカピカに光ってます。絶対吸わないぞって。
 2日目。僕は意志が強いから吸わない、と思う。
 3日目。1本くらい、いいかな……。4日目、ああきついな。
 持たないんですよ、1週間くらいから。
 それが、なにかの拍子に禁煙が1か月を過ぎると、もういつの間にか吸わないのが普通になってますね。タバコをやめてすぐは、指になにか挟んでいないと手持ち無沙汰で、飴でも舐めようかと思う。1か月過ぎると、飴がなくても、もうタバコを吸わないのが当たり前になっている。
 
 アルコールもそう。
 以前、僕はアルコールを毎日、飲んでいました。お母さん、ビールってのは、酒のうちに入らないんだよ、とか言って。でも、依存なんですよね。夕方になると、普通の人は「腹減ったな」なんですけど、アルコールに依存がある人は「一杯飲みたいな」と、食べたいよりも飲みたいが先にきます。
 じゃあもう本当にアルコールをやめましょう、依存だろうが依存じゃなかろうが、アルコールをやめましょう、と切るでしょう。すると2日、3日は、お酒が飲みたくてしょうがないんです。やめてみて初めて、断酒がこんなに難しいと思わなかった、と思う。
 そうやってアルコールを断って、1か月経ったら、飲みたいと思わない。夕方になると正常に腹が減った、と思うようになる。喉が渇けば、ビールが飲みたいではなくて、ちゃんと普通に水が飲みたい、となります。
 

 摂食障害は、食の依存症です。
 ただ、アルコールとかタバコとは、違うんですよね。ちょっとわかりにくい。だって、タバコは吸わなくても生きていけますよね。お酒は、飲まなくても生きていけますよね。それが食の依存と違うところです。
 「私は食に依存があるということがわかりました、それで依存を捨てることにしました、これからは、一切、食べません」これはできません。依存症でも、依存症でなくても、毎日、食べないと生きていけないわけです。
 だから、自分に依存症があるのかないのか、というのもある種わかりにくいのです。
 

 依存というのは2つの要素で構成されています。
 まず1つは、ストレスがあったときに、ストレスの捌け口になるもの。
 もう1つの要素が、理性でコントロール出来ないこと。
 この2つの要素があるかないかで、依存か、そうでないかの違いがわかります。
 そこで、なのはなファミリーの基本的な考え方としては、摂食障害の依存を断ち切るために、まず、ストレスのない環境を作ることを大事にしています。
 みんなが抱えているストレスの大きな要素は、親から離れたことで、8割がた、なくすことができてしまうのです。あるいは仕事から離れる。学校から離れる。
 親とノルマから離れるというので8割がたですね。
 摂食障害の人は、親のことが大好きです。そして同時に、大嫌いでもあるんです。大好きと大嫌いが共存して、そして大きなストレスになっている。
 学校も、ストレスになります。
 そういうストレスから離れると、ストレスのはけ口が必要なくなる。
 食の依存症の人でも、ストレスがなければ、どうしても過食に頼らなければならない、ということがなくなるのです。あるいは過食の衝動が起きにくくなります。
 
 そういう環境を作っておいて、1か月くらい経つと、自分の気持ちが、鎮まってきます。
 例えば、羽毛布団の羽毛を部屋中にバッとばらまいたとすると、羽が空気中に散らばってしまいますよね。けれど、扇風機もエアコンも止めてしばらく放って置くと、その羽毛がゆっくりと床に落ちて来て、空気に透明感が出てきますよね。ちょうどそれに似て、1か月位すると自分の気持ちが鎮まってきて、いろんな依存とかいろんな苦しさで、濁りがあったところから、だんだんと透明感が出てきます。気持ちに、落ち着きが出てくる。それまでが1か月ですね。

 で、摂食障害が他の依存と違うのは、食欲中枢が壊れてしまっているということがあります。
 そういう、透明感のある状態をキープして、規則正しく生活し、食生活も3食、正しく摂っていって、8か月くらいすると、食欲中枢が正常に戻ってきます。
 つまり、お腹が空いたとか、お腹がいっぱいだとかが、わかるようになってきます。
 そういう意味では、まず最初の依存を切り離すのは1か月位、というのが1つの目処になるでしょう。ただし、それだけでは摂食障害から治った、ということにはならないということです。
 気持ちが澄んだところで考えると、それまでは依存か依存じゃないか訳がわからないのが、きれいに、心が透明になってきますから、自分は依存があったかもしれないな、こうかもしれないな、と客観的に判断がつくようになります。
 本当に過食でも拒食でもない状態だ、と言えるところまでもっていくには、普通にご飯を食べだしてから最低でも8か月前後はかかります。
 
 
 

 
□質問2
 依存を切り離したら、どのように変われますか?
 
・自分のこたえ
 自立できる

お父さん:
 そうですね、依存を切り離すと、ものすごく大きな変化が出てきます。
 まず認識力が格段に高くなります。
 あの、自分が何かを考える、感じる――みんな同じように、いつも自分は普通に感じるって思いますけど、実はその認識力というのは大きく、高くなったり低くなったり右に行ったり左に行ったり、ブレるんですよ。
 
 例えば誰かから、「あなた、奇麗ですね」って言われる。
 普通は、「あ、私が美貌だって褒めてくれたんだわ」って、お母さんならすぐ思います。思うよね。お母さん、奇麗ですね。
 ところが認識力の低い人は、「あ、超皮肉を言われた」と思う。認識が歪んでいるんですね。
 要するに、「お前はそんな汚い顔を晒していないで、どこかへ引っ込め」というのを皮肉で、「奇麗ですね」と言われた、と受け止めてしまうのです。私は奇麗なはずがない、私はそんな皮肉を言われないように、マスクしなきゃ歩けないとか、思っちゃうんです。
 そういうふうに認識が自己否定で歪んでいますから、褒め言葉を全部、正反対に取ります。
 言ってみたら、依存のある状態というのはこういうフィルターが幾重にもあって、人の言葉もストレートには聞こえなくなっちゃうし、何を見ても、ストレートには入ってこないです。
 いろんな認識が、ズレてしまう。
 人の気持ちも汲めないし、物事も間違い、勘違いがものすごく大きくなります。
 
 自分自身を振り返っても、自分の過去の記憶が短期間に大きくぶれます。
 少し気分が良いときは、過去のことがすべて素晴らしい思い出に思えてしまう。
 ところが、少しあとでも気持ちが落ちてしまうと、自分が醜い失敗だらけの人間に思えて、こんな自分は地獄に落ちろ、という考えでいっぱいになる。
 認識や考えが、無茶苦茶で、一貫性が保てなくなるのです。自分に対する認識もね。
 そういう認識のズレ、無茶苦茶なフィルターの中にいるところから解放される、というのが、依存から解放されてまず最初に感じられることですよね。
 

 ということは、普通に落ち着いて、あまり自己否定せずに、普通に物事を見られる。普通に受け止められる。素直にね。
 これは、別な言い方をすると、治った人からよく聞くんですけど、
「目が悪いわけじゃないけど、今までは何を見ても、モノクロにしか見えなかった。極端に言ったら何を食べても、味がしない。砂を噛んでるような感じで、まあ食べないとだめだから飲み込んでるだけ。モノクロの面白くもなんともない世界で、仕方無しに生きていた。それが依存をどんどん離れていくと、まわりがフルカラーで鮮やかに見えるようになってくるし、食べ物にも味が出てくる」
 というくらい変わるのです。
 
 食べ物の味がわからなくなった人が水を飲むと「岩の味がする」と言いますよ。岩の味がする。しちゃうんですよね。何も味がないはずの水なのに、石の味がする。そこから、解放される。ちゃんと美味しい水に感じられるようになります。
 自分が何かをすることも、誰かに何かをしてもらうことも、すべてが明るい未来につながっていくように感じられる。
 そういう、今まで感じることのできなかった新しい世界に入っていくということが、依存を切り離すということだと思います。
 そこからが、人生のスタートなんじゃないかなと思います。

 

 

(2018年7月24日掲載)









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