第97回「壁をなくしてオープンになることについて」

【質問】

◯壁をなくしてオープンになることについて

 昨夜の質問コーナーで、壁を無くすことが大事だというお話がありました。
 壁がなく、人を信じやすい人は、なのはなで安心できるので、蓋をしていた辛いことにも向き合い、回復しやすいということです。
 私はとても壁が分厚く、人を信じにくいという自覚があります。どうしたら壁を作らず、心を開けるようになるだろうと、ずっと思ってきました。自分にとっては、本当に難しいことに感じています。
 今回のミーティングで、私の親も非常に壁が厚く、心を開くということがない人たちばかりだったということもわかりました。
 なんとかして、オープンな人に変わりたいです。具体的に、どうすれば変わっていけますか。 

◯自分の答え
 とにかく、笑っている空気に合わせて自分も笑う。
 何をしても嫌われたり馬鹿にされないと信じて、発言したり、態度をかたくしないことを徹底して意識する。
 意識してやり続けていたら、自分を守る態度をとる癖が完全に抜け、オープンになれる。
 
 

 
お父さん:
 親が人に対して心の壁を厚くとるのを見ていると、子供もついそれを真似して、心の壁の厚い人になっていってしまうということはあるでしょうね。
 質問者が出した答えに「とにかく笑っている空気に合わせて自分も笑う」とありますが、そういうのは、あまり好きじゃないです。意味なく笑うというのは、僕は苦手ですね。
 また続けて「何をしても嫌われたり馬鹿にされないと信じて、発言したり、態度をかたくしないことを徹底して意識する」とありますが、これもちょっと抽象的ですよね。
 

 僕は心の壁が薄すぎるようなところがちょっとあります。薄すぎて問題だ、という感じもしますけどね。
 なんでかな、と思ったらですね。
 うん、……1つはね。僕が、4歳か5歳のとき、親戚のおばさんのところに、姉と行ったんです。2つ上の姉とね。
 とんでもなくプレゼンテーションの得意な姉なんです。お喋りでね。それで、姉と僕と2人でおばさんの家に泊まった。従姉妹も居ました。
 で、翌日、親が迎えがてら、やって来ました。
 すると、そのおばさんが姉のことをすごく褒めるわけです。姉は小学校1年か2年だったと思うんですけどね。
「この子供はお喋りだねえ。でも、このお喋りを聞いてて、ほんとに気持ちがいい。絶対に人の悪口は言わない。だからどれだけ聞いてても、面白くて、笑ってばっかりで、この子供の話聞いてたらほんとに楽しい」
 って言ったのを聞きました。
(なるほど。……どんなにお喋りをしても、人の悪口を言わなければ、嫌われないんだな)
 ということを僕は学習しました。
 それと同時に、
(喋るとき、喋る内容に困ったら、自分のことを喋ればいいんだ)
 というのを、そのときやっぱり心に刻みました。
 自分のことだったら、どんなに喋りすぎて馬鹿にされようが、人を傷つけることはない。
 それからというもの、僕は何か喋る時、自分のことをべらべらと喋るようになりました。自分の気持ち、自分の体験、次から次に自分のことを喋る。

 それといつの頃からか本が好きで、本を読むと――特に小説なんていうのは、誰かのお話ですよね――言ってみたら、活字ではありますけれども、誰かのお喋りを聞いてるようなものなんです。小説を読むというのはね。
 自分も、何かものを書こうというときには、文字で誰かにお喋りするようなものです。
 自分のことを書きたいわけですよ。
 誰かに伝えたいとか、書きたい、読んでもらいたいとか。誰か他の人の書いた小説を見たい、お喋りを聞きたい、喋りたい。ここに壁があったらどうですか。聞けないですよ。壁があったら自分も発言できない。
 だいたい、ものすごい読書家というのは、ものすごいお喋りなんじゃないかと思う。で、喋る内容がだいたい自分のこと、自分の気持ちだったりするんですよ。
 

 だから壁の厚い人というのは、要は自分の気持ちを喋らない人なんです。
 心の壁が薄い人は、自分の話をべらべら喋るし、人のことも聞きたがる人です。
 壁の分厚い人が、その壁を厚くしたままいくら笑ったって、全然、壁は薄くならないですよ。何か発言したりしたって、その発言の中身が、自分の気持ちとか、壁の内側を喋るものでなければ壁を薄くしたことにはならない。自分を語るものじゃないとね。
 人に話を聞く場合でも、例えば、るりこからももの話を聞いたって、るりこの壁の内側に入ることにはならないよね。
 なにか喋る、発言する、主張する、じゃないですよ。自分の気持ちを話し、人の気持ちを聞くということがすごく大事なんです。
 喋るときは、自分の気持ちを喋る。聞くときはその本人の気持ちを聞く。誰かのうわさ話じゃなくてね。
 

 人はだいたい頑ななところがありますし、人ってどこかバランスをとりたいですから、自分が100喋ると、相手も100喋り返してきますよ。……違いますね、実際は、自分が100喋ると相手は120くらい喋り返してくる。すると、こっちはなんか損した気がして150喋る。すると向こうが、今度は200くらい喋ってくる。お母さんとよくやります、夜中になると。
 

 ただ考えてみると、僕は物心ついたときから、お喋りだったと思うんですよ。
 (なのはなの)お母さんがこの話を思い出すと笑うんです。
 僕は小さい時によく喋ってたんです。自分がお喋りとは知らず、へらへらと喋ってたんでしょうね。5歳のころでした。それを見た僕の祖母が、こう言ったんです。
「おめえは全く、……かんなくずに火がついたみたいにヘラヘラ、ヘラヘラ、喋りやがって。男のくせに少し黙ってろ!」
 そう怒られたんですね。
 その話をしたら、お母さんに大ウケ。「かんなくずに火がついたみたいに」っていうのが面白いっていうのと、子供の頃の僕が叱られている姿が目に浮かぶって、笑うんです。
 でも、考えてみれば実に詩的ですよね。表現が上手ですね、おばあちゃんは。
「かんなくずに火がついたみたいにヘラヘラ、ヘラヘラと」
 子供の僕でも、恥ずかしくなりましたけどね。僕は鉋屑みたいに薄っぺらな存在か。そうか、あんまり喋っちゃいけないのか。
 ……でも、いくら注意されても駄目でしたね、ずっとお喋りです。大人になっても、お喋りは止まらないです、やっぱりね。

 

 

 ということで自分の心の壁を低くするには、だったよね。
 日記もそうなんですよ。壁の低い人は、自分を語るわけです。あれこれ、日記でね。
 あるいは何かの記事を書かせても、例えば、「トウモロコシの収穫に行った記事を書いて」と言ったら、壁の高い人は、
「◯月◯日に、誰ちゃんと誰ちゃんと誰ちゃんと誰ちゃんと誰ちゃんと誰ちゃんと誰ちゃんで、トウモロコシの収穫に行きました」
 小学校だったらそこで終わっちゃいますね。だけど、
「行きました。まずトウモロコシ畑に着くと、収穫カゴが配られました。その収穫カゴを肩に下げて、茎1本に1つずつついているトウモロコシを、上から下に、トウモロコシを折るようにしてもいでいきます。もいだトウモロコシは1本ずつ収穫カゴに入れます。その日は1人1列を担当して、カゴいっぱいに収穫して、帰って来ました」
 というので終わっちゃう。ノウハウとか手順だけで終わって、楽しかったのやら楽しくなかったのやら、良いトウモロコシが獲れたのやら獲れなかっったのか、美味しかったのかまずかったのか、虫喰ってたのか虫喰ってないのか何もわからない。
 壁が薄くなってくると、微に入り細に渡り、面白かったことだけをクローズアップして書く、そういうふうになるんじゃないか。そう思いますね。
 お喋りになる。そして自分を語って、語って、語り尽くす。そしたら心の壁が低くなります。

 

 

(2018年7月10日掲載)

 









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第1回から第65回までの「お父さんにきいてみよう」は、
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