第93回「自分を褒める話をするには」

【質問】

 OMTについて質問です。(編注:「OMT」は、グループミーティングの形式の名前です。今なのはなファミリーでは、夕方の時間に、それぞれ3~4人のグループにわかれて隔日でOMTをしています)
 

 今のテーマは「今日の自分のGood Job 今の自分をほめる事3つ」です。
 私は自分のマイナスなことは沢山思いつくのですがあ、褒めるとなると、とても話しにくいです。言ってはいけないことを言っているような居心地の悪さがあったり、恥ずかしくなったりして、話すのがためらわれます。
 それで、つい、「グッドジョブというほどのことではないのですが」と、前置きをしたくなり、それも鬱陶しいことに感じます。
 どうしたら、適切に今の自分を褒める話ができるようになりますか。
 

 ●自分の答え
 褒めてはいけないと思いこんでいるから居心地が悪い。
 恥ずかしいのは、人の評価を気にして自分に拘りすぎているから。
 どんな些細な内容でも否定されないのだから堂々と話す。
 また、褒める内容がないということは、
 自分がいつもマイナスしか気に留めていない証拠なので、周囲にも自分にも、良いところ見つけをすることを意識してすごす。 
 以上です。いつもありがとうございます。
 
 
 
 

 そうですね、お父さんとお母さんは、それぞれすっごく自己評価が高いと思いますね。
 だいたいお母さんが「反省した」なんて言うのを、聞いたことがないですよ!
 
 

 ちょっと待って。
 
 

 お母さんが「私が悪かった」とかね、ありえないですよ。
 
 

 そこまで断言する?!
 
 


 断言できる。僕が悪いことは、いっぱい出てきます。僕がどう悪いかは微に入り、細に入り、聞かされることありますけどね、自分も悪かったとか、一切ないです。
 そうですよね。
 どうなの、人間に反省はいらないんじゃないかという感じです。人間にマイナス評価はいらないんじゃないか。たぶんお母さんも僕の反省の言葉を聞いたことがないんじゃないかなと思うんですね。
 
 

 うん、しないよね。
 
 

 あと、僕が「不安だな」ということを言ってるのを聞いたことがないんじゃないかなと思うんですよ、もしかしたらね。
 まあ直近で一番印象深く覚えてるのは、朝7時にいきなり「鹿を要りませんか?」と電話をもらったときですね。たまたま起きてたので――いくら寝起きじゃなくたって、「鹿いりませんか? 獲れたばかりです。今から引き取りに行きましょう」って言われたら驚きます。
 ……鹿。
 まだ温かい鹿の腹をさばいて、腸出して皮剥いで。
 僕は1回もやったことなかったんです。でも、一瞬迷った後に「うーん。やっぱり頂きます」と返事しました。
 そのときお母さんは、「ええっ?! やめておきなよ」と言ってね。こないだも言ったけど、お母さんはお父さんを案じてるわけです。血だらけになって内蔵まみれになって、スタッフだけにしろ、みんなが見てる前で血だらけになって、それで「撤退、ダメだ。みんな穴掘れー」みたいなね。失敗した証拠隠しにみんな埋めてしまえみたいな、ね。そういう事態になって「お父さんでもできないことがあるんだ」とスタッフの評価が地に落ちる、そうなったら困る、そんなリスクを取らないでよ。やめておきなよ! と言ってね。
「絶対できる。自信がある」
「やめておきなよ」
 僕は「絶対できる」と言ってね。
 まあ、ちゃんとできたんですけど。できるんです。できない気がしない。駄目かなあ、どうしようかな、できないかな、なんて微塵も思わない。
 「絶対できる」と言い切って、「まあ見といてよ」と言って、行きましたけどね。
 いざとなるとそういうふうに心配ってないし、あと、何か過去に起こした失敗なんかでも、間違いしちゃっても、「いやあ悪かったな」とくよくよくよくよ、みたいな感じでいつまでも思ったりというのはしないです。
 
 

 かっこいいことばかり言っているみたいだけど、なんだろう、もう、「やる」って思ったら、心配なんてしないんだよね。
 お母さんも、お父さんと性格似てるんだけど、いっぱい心配があるんだよ。意気地のないところも、心配も、いっぱいあるんだけど、やるってなったら、やるんだよね。すっと瞬時に覚悟すると言うか。
 2人仲良しでいられるのは、どっちも、覚悟したら――
 
 

 そうだね。
 
 

 見切りが良いと言うか。
 
 

 そういう意味じゃ、お母さんも反省しないと言ったけど、むしろ自信家で、やれることはやれる。できることはできる、するべきことはするっていう確信をいつも持っている。ただそれだけだと思うんですよ。
 自信を持ったり、確信を持ってる人は、いつもそういう方向で頭と気持ちを使うので、本当にできると思うし、かっこいいと思うし、見ててストレスが無いと思うんですよ。
 
 

 だからみんなも、覚悟を決めて、やらないといけないところは逃げないで――逃げることをするから格好悪いんであって、できないんであって、やると決めたら、やったら良いんだよ、と、お母さんは思うだけなんだよね。
 かっこ悪くても何してもやりきったら良いんだよ。やりきったらかっこいいんだよ。
 
 

 みんなは例えばコンサートで、大勢で踊るというのじゃなくて、4,5人でなにか演奏すると言ったらどういう感じがします。ステージに出るときに。どういう気持ちになります?
 一般的には、「不安だな」とか「できるかな」とか、堂々と振る舞えるかなと不安になったり緊張したり、するよね。
 ところが、有名なバンドの人たちというのは全然、態度が違うんだよね。
 横柄なくらいの態度なんだよね。
 お母さんと見に行ったことあるけど、GLAYのコンサートでね。
 晴海のモーターショーなんかをやる大きい会場で2,3万人が入ったんだね。
 その時、僕は記事を書くために――あまり芸能物はやらないんだけど、たまたま緊急で頼まれて、見に行ってくれと言われて。
 観客は席に座ってないんだよね。パイプフレームで囲われて、たくさんの檻の中に入れられた羊みたいに、立っててね。檻の中で移動して固まっている。そのくらいじゃないと2万人3万人は入らないんだよね。
 遠くの方にステージがあって、もちろん大きなスクリーンがいくつもあって、そのスクリーンで見ることができる。
 
 
 GLAYが出てくるという時、どう出てくるのかなと思ったら、奥のほうからちょっと出てくるんだけど、出てきたときにゆっくり出てきて、こんな感じで(お父さん、ゆっくりとした動作で腰に手を当てて片足体重で立ち、観客席を見る)。まずギターの位置につく前に、ステージの上で観客の方をこう見てるんだね。
 ワーーーッて観客が言っても、ああそうかよ、と言うふうに。
 (ポーズをとりながら)…………こんな感じね。
 偉そうだなこいつーって。まだ演奏してないぞお前。
 でも、「どうだ。どんなもんだ」って言う感じで。
 それがみんな、キャーーッ、ワーーッて。檻の中で羊のようにメエメエ言ってるんですよね。
 
 
 あまりそういうライブには、歳が大きくなってからは行かなかったんですけど。
 その態度のでかいこと、でかいこと。
 そのくらいでかくないと、2万人、3万人の前ではやれないんだなっていうね。
 もしかしたらその人らも緊張してたかもしれないんだけど、あれだけ態度でかくやったら、そのうち気持ちよくなってきて、もっと騒げ、もっと乗ってくれよみたいな――言い方だったら、そんな感じだよね。
 
 だから、素人の人がステージに出るときからして、もうぜんぜん違うんだよね。
 態度からして、成功を信じてるというか。
 曲で失敗するとか歌で失敗するとか、考えもしない。それよりか、どれだけみんなを楽しませるか、だけ考えている。
 十分、できるだろうと確信してる。
 そういうイメージを持つというね。
 
 
 だから、鹿をさばくといったってそうだよね。成功のイメージしか持たない。
 タイルを張るのだってそうだよね。さっさと奇麗に手早く、奇麗に仕上がって、なるほど、って言ってもらえるというイメージしか持たない。
 そういう成功のイメージ。
 「これはこうあるべきだろう」と想像する、シミュレーションする。一応頭の中でするんですよ。シミュレーション通りやればいい。
 僕も、鹿を前にいきなりナイフ持って「さあどう切ろうか」じゃないですよ。骨がどうついてるかわかっている、頭の中で捌くシミュレーション何回も、何十回もしていますから。シミュレーションをやるだけやったらあとは本番で実践するだけですからね。

 考えてみれば、日頃から自分を褒めるというより、何か目の前にある課題に対して、これはできる、これを最高の形でやろう、といつも思っているわけです。いつも、同時並行でいくつかの課題に対して何かしら良い形でやれるというイメージトレーニングをしている。
 そして、それを実践した結果に対して、高く評価する。次はもっと良い形でやろうと思う。
 人生って、大なり小なり、毎日がその繰り返しです。
 それをただ言葉にすればいいだけ、というのが質問にある「今日の自分のGood Job 今の自分をほめる事3つ」です。
 毎日、自分を励まし、イメージトレーニングをし、実践して、高く評価する、そんなふうにしているはずなので、それをただ言葉にするだけ、というふうに思うのですが、どうでしょうか。

 

 

(2018年6月26日掲載)









第66回「自己否定について」
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第72回「小さいころからの恐怖心」
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第76回「大きな希望を持つとき②」
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第84回「自信を持つ」
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第221回「喜び合うための全力」

第1回から第65回までの「お父さんにきいてみよう」は、
こちらからご覧いただけます!
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