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「なのはなの伝統行事」 えつこ




5月29日

 全身で遊んで、全力で笑った日でした。お腹と頬が筋肉痛になるくらいに笑いました。
 お父さん、お母さん、盛男おじいちゃん、家族のみんなのことを全身で感じました。
 小さな悩みや憂鬱な気持ちから解放され、人間らしさとは、今の気持ちのことを言うのかと思いました。
 今、皮を剥かれた落花生のような気分です。今の気持ちをしっかりと言葉に残しておきたいです。  

 昨日の夜に今日のどろんこ運動会の発表があり、スタッフさんが前もって段取りを考えてくれていました。
 朝食後に畑のチームごとに説明を聞きました。大会の流れから終わってからのお風呂や服を洗うときの流れまで説明してくれました。
 スムーズに進んでみんなが楽しめるように、という心遣いがありがたかったです。
 チームでまとまって、上田んぼに移動しました。田んぼに着いた瞬間、億劫な気持ちが吹き飛び、はやくここに飛び込みたい、と思いました。

 一種目目はどろんこ綱引き。一試合目は畑のチームでの対戦です。
 最初はAチーム対Bチーム。田んぼに足を入れる瞬間、緊張と嬉しさで胸が高鳴りました。
 足を入れた瞬間、心がほぐれるような感じがしました。水の柔らかい冷たさ、泥が足の指に吸い付くような感覚。「待ってました」と優しく迎え入れてもらっている気持ちになりました。
 それは嵐の前の静けさでした。綱に触れると、それまでの穏やかな気持ちから、野性的な気持ちに変わりました。勝つぞ、という気持ちで構えの姿勢をとりました。
 「レディ……ゴー!」思い切り体重をかけて綱を引きました。下半身と背中が泥に浸かって、こうなったら思い切り泥にまみれてやろうと思いました。
 結果はAチームは負けてしまいました。でも、泥に浸かって気分は爽快でした。あぜに上がり、他のチームの観戦をしました。
 なおとさんの綱を引く姿が印象に残っています。思い切り体を倒して半身泥に浸かった状態で、一瞬も力を緩めずに引き続けていました。
 3位決定戦のときに、なおとさんをイメージして綱を引いてみました。すごく腹筋や背筋を使いました。疲れてくると力が抜けてしまって、あの姿勢をキープして綱を引き続けるなおとさんがすごいと思いました。
 畑のチームの他に、血液型対決と東西対決をしました。それぞれ、AB型と東側が勝ちました。どの対決もそれぞれのチームの個性が表れていました。
 あゆちゃんがすごく強かったです。あゆちゃんが入ったチームは必ず勝っていました。上半身をほとんど汚さずに綱を引くあゆちゃんが力強かったです。

 続いてどろんこ相撲。一番楽しみにしていた種目です。お父さんが相撲の呼び出し風に選手の名前を言います。何でも演じられるお父さんが格好いいです。
 お父さんの呼び出しで、場が盛り上がりました。私はりさちゃんと対決しました。自分の番が来ると心拍数が上がりました。足をしっかりと広げて、相手のズボンの腰部分を持ちます。
 「はっけよい……のこった!」15秒くらい組み合いが続きました。りさちゃんのまっすぐさを感じました。
 私も負けじと自己主張をしました。しばらくすると疲れてきて、一瞬の緩みをつかれて、りさちゃんの勝利。自己主張が足りませんでした。
 もっと精進します。負けて悔しかったけど、りさちゃんと対戦して、りさちゃんのパワーを吸収することができました。
 お父さんがお話されていたように、私もゆきなちゃんに驚きました。普段は穏やかで物腰が柔らかいゆきなちゃんが、強かったです。
 猛々しく激しく戦って勝つというよりは、静かに淡々と勝っている印象を受けました。ゆきなちゃんの謙虚さと粘り強さを感じました。ゆきなちゃんの意外な一面を見ました。
 優勝決定戦はゆきなちゃん対しほちゃんで、しほちゃんが優勝しました。私は、どろんこ相撲といえばしほちゃんとあけみちゃんが真っ先に思い浮かびます。迫力のある試合で、見ていても興奮して楽しかったです。

 最後の種目は、畑のチーム対抗でのどろんこリレー。私たちAチームは、エリマキトカゲのイメージでなるべく泥に足をつけないようにして走る作戦で行こうと話していました。
 お父さんも、エリマキトカゲになったつもりで走ることと、つま先で走ると泥に足をとられてしまうので足の裏全体で走ると良いとアドバイスしてくれました。
 走者はひとつのチームで10人。田んぼを4つの区間に分けて、田んぼを2周半走り、ペットボトルのバトンを繋ぎます。
 それぞれの場所について、スタート。のんちゃん、やよいちゃんの全力疾走で、Aチームがリードしました。この流れに乗って、私も走りました。
 水面を走る忍者みたいに走りました。後半になると疲れてきて、泥に足をとられるようになってきました。
 そのとき、やよいちゃんが、「もっと早く走れるよー!」と、全力で応援してくれました。その声を聞いて元気が湧いてきて、転びながらバトンを渡しました。
 その後も走っている人と同じ気持ちで応援しました。やよいちゃんが誰よりも大きな声を出していました。透明で全力なやよいちゃんの笑顔を見ていると心が洗われました。
 Aチームがリードしてこのまま優勝かもしれないと喜んでいたら、後半でCチーム走者のあゆちゃんに抜かれてしまいました。
 あゆちゃんの一歩は大きくて、まるでグラウンドを走っているみたいに軽やかでした。そして、アンカーにバトンが渡されました。
 Aチームのアンカーはゆいちゃん。力の限り走るゆいちゃんを、私たちも力の限り応援しました。
 Cチームのなおとさんがものすごく速かったです。あと少しのところでなおとさんが転んで、私たちが勝つかと思っていたら、なおとさんがすぐに起き上り、何事もなかったかのようにまた全力疾走をして、なおとさんのいたCチームが勝ちました。
 1位を逃してしまって悔しかったけれど、全力で応援したり悔しがったりする時間がすごく楽しかったです。

 全員でのリレーの後は、チームごとに代表選手を4人決めて対戦をしました。Aチームからはやよいちゃん、のんちゃん、よしちゃん、あきちゃんが出場しました。

 前の対戦で1位だったCチームからは最強選手のあゆちゃんとなおとさん。しかも、なおとさんが第一走者。鮮やかなエリマキトカゲ走法でCチームが優勝しました。
 Aチームは3位でした。悔しくて、全力で「残念!」と叫びました。
 最後に全員で並んで田んぼの端から端までを真っ直ぐに全力疾走しました。大威張りで田んぼの中を全力疾走出来るのは今日だけ。自分を捨てて全力で走りました。
 水面を滑るイメージで走りました。心の雑味がなくなり、野生に返った気分でした。

 全体でのどろんこ運動会が終わってから、自主的に相撲大会がはじまりました。お父さんも入ってくれました。私はそのときもう田んぼから上がって足も洗っていました。
 でも、私も一度はお父さんに投げ飛ばされてみたい。このチャンスを逃したらもうお父さんに投げ飛ばされずに一生が終わるかもしれない。
 私は長靴を脱ぎ、再び田んぼに入って、お父さんに飛びつきました。お父さんが全力で投げ飛ばしてくれました。
 お父さんに投げ飛ばされて全身泥につかった瞬間、心の中の色んな物が洗い流されました。お父さんの大きな優しさを感じました。

 盛男おじいちゃんが、こういった経験はなのはなでしか出来ないことだと仰いました。田んぼの中を走り回って堂々と泥だらけになれるのは、得難い経験です。
 なのはなにいられること、なのはなでしか出来ない経験をさせてもらえることがありがたいと思いました。なのはなの子でいられることが幸せです。
 田んぼの泥から、私を投げ飛ばしてくれたお父さんの力強さから、頑張る力をたくさんもらいました。明日からまた、楽しいことも苦しいこともしっかりと味わいたいです。
 過去や未来に逃げずに、今を生きます。

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