第67回「友達が欲しい人、そうでない人」

【質問】
 人との関係について
 友達が欲しいと思う人と、別に友達はいなくていいと思う人の違いはなんですか。
 私は友達はあまりいなくても良い、自分からは作ろうとしないタイプです。

 

 

お父さん:

 

なるほどね。
「友達がほしいと思う人と、別に友達はいなくていいと思う人の違いはなんですか」
 あの、これね、別な言い方をすると、
「人との共感が欲しいという人と、人との共感がなくてもいいという人の違い」
 なんですよね。
 そうでなかったら、人から嫌われたり、意地悪をされたり、嫌な思いをこれ以上したくない、という人間関係の恐さのほうが、人間関係で得られる嬉しさをずっと上回っている心境なのかもしれません。

 なんていうんだろうな……友達がほしいというのにはね、2つあるんです。
 1つは、目に見えてる「今、誰ちゃん誰ちゃん誰ちゃんと友達になりたい」というものと、
「ここにはいない、まだ会ったこともないけれど、自分と同じ考えをもった人と出会いたい」
 っていうもの。まだ見ぬ誰か、不特定の誰かで、自分と志を同じくする人と出会いたい、っていうね。名前のない人との出会いを求める気持ち。
 両方とも、「友達がほしい」っていうことなんですが、前者は幼稚園か小学校低学年のころの友達が欲しいという気持ちで、後者は思春期を迎えてからの気持ち、というふうに思います。

 逆に、友だちがいなくていいというのはどういうことか。
 この人は極めて寂しい人だと思いますよ。
 社会的な活動、たとえば仕事をするだとか、これ、すべて人のためなんですよ。誰かのためなんです。
 相手が見えてる場合もあれば、見えてない場合もあるけど、仕事は必ず誰かのためなんです。
 誰かの何かの役に立つことを前提に人は仕事をするんですけど、友達がいなくていいという人は、誰かのために仕事をしようとしてないです。しないんですよ。
 少し強めに言えば、自分が楽しければそれでいい、というふうな内に籠った生き方で何も感じない、という人です。
 

 根本的に考え方が間違ってると思いますね。そういう人は必ずどこかで躓きます。
 特に1回傷ついた人というのは、もう他の人が傷つくのを見るのが嫌なんですね。他の人は幸せになってほしいんですね。そのためになら頑張れるけど、自分が得するだとかというためには頑張れないんです。
 友達がいらないという人は、自分が得するために頑張れちゃう人です。
 しかし、傷ついた経験をもつ人は、自分が得するためには、究極のところ頑張れない。

 僕ははっきり言って、“友達と付き合うためのお付き合い”というのは、考えてみたら若いときからあんまり好きじゃないかもしれませんね。学生のころは友だちと麻雀やりましたけど、じゃあ社会人になってからやろうかっていっても、時間がない。時間がもったいないというか。
 僕の知り合いには、仕事先の仲間と麻雀をやる人もいました。ひょっとして、営業の一環で麻雀をする人もいるでしょうけどね。
 10代は麻雀もビリヤードもやりましたけど、20代に入ってからはもう時間がもったいなくて、30代なんか特にできない。もちろん仕事を懸命にしていたんです。
 

 友達と遊ぶ時間はないですけど、編集者と打ち合わせしなきゃならない、取材先で人に会わなきゃならない。
 言ってみたら毎日、取材で誰かと会って、まだ見ぬ読者のために原稿を書いて――自分が面白ければいいんじゃない。読者のための原稿ですよね――書いて、また取材している。常に誰かに会っている。つまり趣味的な付き合いとか、余暇的な付き合いをしている時間がなかったし、そういうことをしようというつもりもなかった。友達ではないけれども、常に人に会っている毎日ですからね。
 

 新しいことを求めて取材をして、新しい出会いを求めて書いて、ってやってるんですけど、そういうなかで、『食べない心と吐く心』という本も書いてるんですけどね。誰かに、摂食障害で苦しんでいる誰かに読んでもらいたいという思いで、それを待っている人がいると信じて書いているんですね。
 結果的に、なのはなファミリーには摂食障害の女性がたくさんいますが、最初のころは特に、僕の本を読んできた人ばかりでしたからね。
 本を通してまだ見ぬ誰かへ呼びかけると、現実に、目に見える人としてやってくる。
 こういうことをやってきてるんですけど、ありとあらゆる仕事がそうだと思っていますよ。
 で、まだ見ぬ誰かを、まだ僕は待ち続けていますよ。もっともっと出会いたいと思っている。
 

 出会いを求めない人生はあり得ないですよね。
 友達ってどこまでを言うか知らないけど。
 なのはなファミリーの卒業生も、ずっと「お父さんお母さん」って呼んでくれて、そんな仲間ががたくさん増えてきました。そういう知り合いをどんどん増やしていきたい、もっともっと出会いたい、もっともっと力になりたい、もっと深く濃い関係を作っていきたい。それを常に願っているのであって、それを願わない人生なんて、「私は薄く生きていきたい、濃い人生を送りたくありません」って言うことと同じで、それは生きる意欲がないのと一緒ということじゃないでしょうかね。

 

(2018年3月27日掲載 / 3月29日加筆)









第66回「自己否定について」
第67回「友達が欲しい人、そうでない人」
第68回「未来を信じる」
第69回「山を登ると」
第70回「リーダーをすると苦しくさせる」
第71回「自分から人を好きになる」
第72回「小さいころからの恐怖心」
第73回「お姉さんのような存在を」
第74回「作業に対して気持ちの落差が激しい」
第75回「大きな希望を持つとき①」
第76回「大きな希望を持つとき②」
第77回「夢について・集中力について」
第78回「やるべきことをできていなくて苦しい」
第79回「やるべきことをできていなくて苦しい②」
第80回「真面目さは何のために」
第81回「高いプライドをつくるには」
第82回「番外編:そうだ、お母さんにきいてみよう!」
第83回「相談、確認が多いことについて」
第84回「自信を持つ」
第85回「間の良さ、間の悪さ」
第86回「過去を美化してしまう」
第87回「統合力を高めるには」
第88回「見張られているような不安」
第89回「どうして人間だけに気持ちが必要なのか」
第90回「休日になるとやる気がなくなってしまう」
第91回「低気圧」
第92回「どうして動物を飼うの?」
第93回「自分を褒める話をするには」
第94回「眠れない」
第95回「ふいに恥ずかしくなる」
第96回「躾について」
第97回「壁をなくしてオープンになるには」
第98回「自分がオーラのある人になるには」
第99回「私のストレスは何?」
第100回「社会性を身につける」
第101回「依存を切り離す期間は? その後はどう変わる?」
第102回「依存を切り離すことについて②」
第103回「会話が理解できない・生きる意味」
第104回「何者にもなれないのでは、という不安」
第105回「一緒に長時間いられない」
第106回「人の気持ちを汲めない」
第107回「リーダーとしてちゃんと動くには」
第108回「仕事への情熱と、興味があること」
第109回「日々の習慣を持つ」
第110回「自分のアスペルガー的な要素について」
第111回「外見について」
第112回「芸術、情緒、愛情 心の深さ」
第113回「なぜ風俗業は禁止にされないのか」
第114回「生き難さを抱えていなかったら、どんな将来の夢を」
第115回「健全な家庭なら自我は育つのか」
第116回「自我を育てる」
第117回「説明が理解できない」
第118回「好きな花①」
第119回「好きな花②」
第120回「血を連想させる単語を聞くと」
第121回「社会性と、基本的な姿勢」
第122回「深い関係をとって生きる」
第123回「ノルマ感、義務感が強い」
第124回「野菜の収穫基準がわからなくなる」
第125回「自分を楽しませること、幸せに過ごさせることが難しい」
第126回「向上心を持てないこと」
第127回「アーティスティックな心」
第128回「野性味を取り戻す」
第129回「個人プレイからチームプレイへ」
第130回「すべてのことを高いレベルでやりたい」
第131回「なぜ、痩せているほうが良いと思われるのですか?」
第132回「予定が変わると、気持ちがもやもやする」
第133回「楽観主義者と悲観主義者の境界線」
第134回「上品に、笑顔で、美しく」
第135回「続『上品に、笑顔で、美しく』」
第136回「嘘をつけない」
第137回「お父さんが怖い 前編」
第138回「お父さんが怖い 後編」
第139回「見事やで」
第140回「頼まれごとが不安・時間に遅れる①」
第141回「頼まれごとが不安・時間に遅れる②」
第142回「頼まれごとが不安・時間に遅れる③」
第143回「大きな声を出すこと」
第144回「時間の使い方」
第145回「お腹がすく」
第146回「本を読む時、第三者の視点になってしまう」
第147回「罰ゲームの答えとユーモア」
第148回「アイデアが出ないこと」
第149回「気持ちと身体の助走」
第150回「花や動物を可愛いと思えない」
第151回「美味しいセロリ」
第152回「尊敬している人といると、あがってしまう」
第153回「考え事がやめられない」
第154回「認めてもらいたい気持ち」
第155回「寝汗をかかなくなった」
第156回「時間の不安について」
第157回「楽器を練習したい、本を読みたい」
第158回「疲れを認めたくない」
第159回「アトピーと蕁麻疹」
第160回「はっきりした人になりたい」
第161回「会話と、興味の深さについて」
第162回「思春期の不安定」
第163回「潔癖症について」
第164回「自尊心」
第165回「自分の身体のサイズ感をとらえるのが苦手」
第166回「兄弟を心配する気持ち」
第167回「自分の声への違和感」
第168回「野菜の調子が悪いと、自己否定してしまう」
第169回「好きな気持ちと、誤解をされることへの不安について」
第170回「トイレが近いことについて」
第171回「競争意識について①」
第172回「競争意識について②」
第173回「コンディションによって態度が変わる人、変わらない人」
第174回「恐がりなことについて」
第175回「テンション」
第176回「目を見ること、見られること」
第177回「よいお母さんになる10か条」
第178回「音楽と我欲①」
第179回「音楽と我欲②」
第180回「時間の使い方と焦りの気持ち」
第181回「自分に疑心暗鬼になって、不安に陥ってしまうのはなぜ」
第182回「有志の募集に手を挙げづらい」
第183回「緻密に」
第184回「いつも怖い」
第185回「体型に対するこだわり」
第186回「気持ちの切り替えが、うまくできない」
第187回「米ぬかぼかし作り」
第188回「評価すること」
第189回「堂々とした人に怯えてしまう ①」
第190回「堂々とした人に怯えてしまう ②」
第191回「耳が良くないこと」
第192回「限界」
第193回「物を簡単に捨てることができてしまう」
第194回「整理整頓、片付けができない」
第195回「次のミーティングは、いつですか?」
第196回「整理が過ぎるのは症状ですか」
第197回「人をもっと理解したいということについて」
第198回「体育の授業が怖くて、さぼっていたことについて」
第199回「完璧が怖い」
第200回「やるべきことに追われてしまいがちな気持ちについて」
第201回「正面から受け取りすぎることについて」
第202回「手持ち無沙汰にさせることが怖い」
第203回「生き物が好きで触りたくなる気持ちについて」
第204回「魚の食べ方について」
第205回「ステージで間違いがあったときは」
第206回「作業で焦ってしまう」
第207回「調理されて食べられる魚はかわいそう?」
第208回「頑張ろうとすることに疲れた」
第209回「自己愛性パーソナリティ」
第210回「期待について その①」
第211回「期待について その②」
第212回「アウトプットで生きる」
第213回「キャパシティを大きくしたい」
第214回「コミュニケーション」
第215回「秋が寂しい」
第216回「我欲と、自分を大切にすることの違い」
第217回「声を前に出して歌うには」
第218回「できる気がしない、と感じてしまう」
第219回「苦手なことをしている時間を苦痛に感じてしまう」
第220回「握力について」
第221回「喜び合うための全力」

第1回から第65回までの「お父さんにきいてみよう」は、
こちらからご覧いただけます!
Side effects medicine online pharmacy enter your Health Record number. Best-quality discount drugs http://online-pharmacy-rx.com `[!: Canadian drug stores works with a drugstore. Order and buy medicines through the Internet for the lowest prices in canadian pharmacy <;< generic viagra : Announcements of new drugs. Shares. Best price.