« ★前のページ 「大稲原」 たかこ ||
★次のページ » 「読書感想文 『流れる星は生きている』」 まゆみ
「変化する完璧、より良い完璧」 ようこ
8月29日 ○季節と気持ちの移り変わり 夏から秋へと気温が移り変わっていくなか、空気も変化していることを感じます。稲刈りの時期が近づいてきたため、外に出るとどこからともなく甘いような、香ばしいような香りが香ってきます。風も、熱風ではなく、日中でも涼しく感じられるようになりました。 空気と共に、私の気持ちも変化しています。夏のどこか気忙しい、常に踏ん張らなければ保っていられない感じがなくなりました。ゆっくりとした気持ちでどっしりと受け止められるような、度量の広さを持てているような気がしています。 四季の中でも、私は秋が一番好きです。特になのはなの秋は短く、とても貴重な時間に感じています。 秋の風景や気候はもの悲しさを感じることもありますが、切なさやその瞬間にしかない、守りたくなるような感覚が人の心を魅了するのではないかなと思います。 生活リズム、衣服、食事……身の周りにあるものが変化していくと同時に、私の気持ちも衣替えをする時期にきていると思います。夏で得たことを糧として、新しい自分へと生まれ変わっていきたいです。 禄ちゃんのコロコロと変わる表情を見ていると、毎日が初めて記念日のように、新鮮な気持ちで生きているのだろうなと感じます。良い意味で恐れがなくて、素直で純粋に目の前のことに興味や関心を持っているのだろうなと思います。 沢山のことを吸収し、沢山のことへ気持ちを向けられる禄ちゃんのように柔軟な心で居たいです。いつまでも新鮮な気持ちを忘れない大人でありたいです。何でも知っている、何でもできる大人ではなくて、子どものようなキラキラした気持ちを忘れたくないなと思いました。 ○広い心の目を持つ 昨晩の集合で、お父さんが下町川畑のナスとピーマンの病気や生育の悪さは、スズランテープにある、と教えて下さいました。 私は毎日その畑に行き、隣でミニトマトとマイクロトマトを収穫したり、時にはナスとピーマンの手入れを手伝うことがあったにも関わらず、気付いていませんでした。病気だ、ということを鵜呑みにしていて、ナスやピーマンの気持ちになれていませんでした。 スズランテープで首つり状態になっていること程、野菜にとって苦しいことはないと思います。私が収穫の担当をしていたミニトマトとマイクロトマトも、株が大きくなってきて、根本のスズランテープがきつくなったとき、緩く結び直したことがありました。 今更後悔しても遅いのですが、自分の担当している野菜だけやっていればいいという気持ちではなく、畑全体に気持ちを向けられていたならば、防げたのかもしれません。 視野を広く持たなければいけないなと改めて感じました。物事に対してもそうだけれど、人の気持ちに対しても広い視野と優しいアンテナで察していけるようになりたいです。 ○変化する完璧、より良い完璧 「100パーセント、完璧でなければ嫌だ、という気持ちになり、実際に完璧にできるようになるのは、性格を変えるくらい難しいことです」 お父さんの言葉を聞いて、意識を変えなければいけないなと思いました。甘さはほんの少しも残してはいけないと思いました。 私は自分が好きなこと、得意なことに関しては完璧主義者です。妥協することが許せなくて、自分が納得するまで人がなんと言おうと譲らない、頑固なところがあります。 言葉は悪いですが、自分の中であまり興味がなかったり、大切だと思えないことに関しては曖昧に流してしまうことがあります。大体、人並みにできればまあ、良しとしようと言い聞かせてきました。 本当はこれではいけない、と分かっていても、自分の気持ちに嘘をついて完璧にやる大変さから逃げてきました。 お話を聞いていて、ハッとしました。今まで私が考えていた完璧と、お父さんとお母さんの求める完璧は、種類も意味も180度違いました。だから苦しかったし、逃げたかったのだと思いました。お父さんとお母さんは、自分のためではなくて、まだ見ぬ誰かのための完璧を目指していたのだと思いました。 完璧にやろう、完璧になりたい、という気持ちは決して苦しいものではないのだ。ようやく分かったような気がします。 「摂食障害になった私たちは、まだ見ぬ誰かのためだったら、より良い人生を作るために、回復できる」 お父さんとお母さんはそう教えてくださいます。 自分が生きていることは事実だけれど、私がこれから生きていく人生は、私のものであって、私だけのものではないのだと思います。だから、私は責任と覚悟を持って、人生を成立させようと思えます。 これからは、極端な完璧主義者になって、追い詰めるのではなく、より良い完璧、ずっと変化していく完璧を目指していきたいと思います。なのはなの子として100パーセント、いや120パーセントを尽くせる人になります。
« ★前のページ 「大稲原」 たかこ ||
★次のページ » 「読書感想文 『流れる星は生きている』」 まゆみ
|