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「サトイモとショウガの植え付け」 まゆみ




 いいとこ上畑に、サトイモとショウガを植えました。
「確実に芽を出したい」
 とお父さんが集合でやり方を説明してくれました。
「芽の出方で、その野菜が成功したかどうかがわかる」
 とお父さんはいつも話してくれます。お父さんの強い視線と言葉に、自分の気持ちもぐっと引き締まるのを感じました。作業発表で名前が呼ばれたときは、さらに緊張感が加わりました。
 作業は、まりのちゃん、まりこちゃん、りさちゃん、みくちゃんと一緒でした。広い畑は奇麗に耕されていて、真っ直ぐな長い畝ができていました。入り口に近いところに、まりのちゃんが予め、2つほど植え付けてくれていました。穴の深さは7,8センチ、覆土の代わりに使うバークは2,3センチ、種芋同士の間は50センチぴったりでした。この作業に求められる繊細さ、丁寧さ、正確さを、改めて感じました。

 ■筋の深さ

 最初に、くわを使って、その長い畝に筋を付けていきました。一番北側の畝は、コンパニオンプランツのやり方で、サトイモとショウガを植えるのに2条取って、後の3畝は真ん中に1条取りました。浅すぎず、深すぎず。サトイモを置いて、バークを2、3センチ掛けたときに、その部分が周りよりへこまないように、深植えにならないように気を付けました。
 筋を付ける、と一言で言うのは簡単だけれど、思っていたよりもずっと難しく感じました。
 深さを気にしすぎて目の前に集中してしまうと、気がついたら筋が曲がってしまいます。だからといって、手元を見ないでやるのも違います。私は、まだ力が足りないのもあって、本当に意識していないと、すぐに筋が手前にずれてしまいました。長い畝を、止まらずに真っ直ぐに筋を付けていくのは、自分に取って大きな課題でした。
 近くで作業をしていたまりこちゃんは、気がついたらずっと先の方に進んでいました。
 変わらないリズムで、軽やかに土を上げていて、止まることはありませんでした。疲れる様子も全くなくて、淡々と手早く筋を付けていくまりこちゃんの姿が、本当に格好良かったです。まりこちゃんの畝は、真ん中に真っ直ぐ、一筋の溝ができていました。まりこちゃんの力強さ、正確さ、誠実さを、改めて感じました。
 その筋に、今度は種芋を置いていきます。50センチ間隔。今回は、ばか棒はありませんでした。本当に、自分の心の感覚が試される作業でした。

 ■心で見る

 まりのちゃんが最初に植え付けてくれていたところの長さを見て、1畝ずつ入っていきました。まりのちゃんとまりこちゃんは、最初にショウガを、りさちゃんとみくちゃんと私で、サトイモを置いていきました。
 心で見る、というのは、改めて難しいなと感じました。私は、どちらかというと大きくとりがちです。作業をしながら、度々見本の長さを確認しに行って、修正をしました。
 隣の畝にいたりさちゃんは、ポンポンとテンポ良く、種芋を置いていました。土の上に置く瞬間、そっと丁寧に力を添えているりさちゃんの姿から、大きな優しさを感じました。サトイモたちも、大きな畑の中にいきなり出て来て、それでもどこか落ち着いて、安心しているように見えました。りさちゃんの真っ直ぐなまなざしから、サトイモが置かれる次のあるべき場所が、自然と浮き上がって見えてくるように感じました。
 種芋に使ったのは、なのはなでとれたサトイモたちです。馬のたてがみのような、しなやかな茶色い毛で覆われて、先からは太い芽が出始めていました。芽の根元の部分は混じりけの無い白色をしていて、先の方は淡い緑色をしていました。太く真っ直ぐに伸びた芽からは、これからどんどん大きくなっていく、強い勢いを感じました。
 手のひらで握れるぐらいの種芋たちが、今年のサトイモたちの親になるのだと思うと、なんだか不思議な気持ちになりました。この太い芽にも、まん丸な形をした種芋たちにも、自分の想像できないような、大きな力が込められているのだと思いました。そんな大きなエネルギーを持ったものが、自分の手のひらにあるのだということが、信じられないような気持ちにもなりました。

 ■バークの下で

 種芋を置いたら、いよいよバークをかぶせていきます。ジャガイモのときと、やり方はほとんど同じです。固い土の代わりに、ふかふかしたバークを掛けることによって、芽を出しやすくするのが目的です。今回も、真ん中の芽が出てくる部分を残して、周りに土を軽く寄せました。
 厚さは2、3センチ。それ以上、厚くしないように気を付けました。一掴みのバークを種芋の上に優しくかぶせて、天辺を軽く払います。バークの隙間から、太陽の光がサトイモたちふかの姿を優しく照らしていました。種芋たちの勢いのある芽を見ていたら、その隙間から今にも芽が飛び出してきそうに感じました。バークの下で、静かに力を蓄えている種芋たちが、愛おしくも感じました。
 バークは、サトイモたちの毛布のようにも見えました。丁度、巣の中でお母さんに温めてもらっている卵のようにも見えました。みんなの真剣な、優しい空気を感じて、安心してサトイモたちもショウガたちも、畑に落ち着いてくれたら良いなと思いました。
 バークを掛けたら、種芋と種芋の間に、さらに鶏糞を置いていきました。3つかみほどのたっぷりの鶏糞を、直接当たらないように、真ん中にそっと置いていきました。
 長い畝に一列に並んだサトイモとショウガたちには、袋に一杯の鶏糞も、あっという間に無くなりました。みんなで畑の中を往復して、1つずつ、肥料を撒いていきました。
 そして、最後にくわで土を寄せた後、たっぷりの水をやりました。まりのちゃんたちが最後まで残ってくれて、ホースで水やりをしてくれました。
「朝と夕方に毎日水やりをして、土を乾かないようにするのだ」
 とお父さんも教えてくれました。

 ■コンパニオンプランツ

 畑の端から端まで、一列に芽がずらっと並んだら、すごく迫力があるだろうなと思います。最初から最後まで、繊細で真剣な空気が、畑一杯に広がっていました。誰もが、目の前のサトイモとショウガに、大きな優しさを持って向き合っていて、そんな中にいられたことが、すごく嬉しかったです。
 一番北側の畝は、コンパニオンプランツのやり方で植えました。2条ある内、北側にはショウガを、南側にはサトイモを植えました。ショウガは、サトイモの虫除けになったり、サトイモで日陰ができることによって、ショウガの生育も良くなるそうです。
 どんな風に違いが出てくるのか、どんな風に畑の景色が変わっていくのか、みんなと見ていけることがすごく嬉しいです。これからも、自分にできることを精一杯、心を込めて丁寧にしていきたいなと思います。  

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